ドイツ人は真面目でルールを守り、静かな生活を好みます。家族との絆が深く、夫婦や親子の関係が強いのが特徴です。頻繁に連絡を取り合い、休日は一緒に過ごしたり、定期的に帰省して家族と過ごす時間を大切にしています。働くこと以上に家族と過ごす時間を重視する文化があるので、長期休暇は家族とゆっくり過ごすのが一般的です。子どもやペットにもとても優しく、たとえばお肉屋さんでは子供にハムをサービスしたり、レストランでは犬にパンを分けてくれることもあります。
ルールに忠実で時間厳守
ドイツ人は、とにかくルールに忠実で、時間を厳守します。物事に対して自由に選択できる場合は気にしないこともありますが、「決まり」となれば必ず守ります。ドイツには数多くのルールが存在し、その一つが「静かにしなければいけない時間(安息時間)」です。ドイツ人は静かに過ごすことを好むため、騒音を防ぐためのルールが法律として定められています。また、働きすぎを防ぐために「日曜日は営業禁止(閉店法)」という法律もあります。ルールを守る姿勢が、ドイツ社会全体の秩序を支えているのです。
さらに、時間にも正確です。例えば、「お昼の12時に家に来て」と伝えると、ドイツ人は12時ちょうどにピンポンを鳴らします。早すぎず、遅すぎず、まさに時間通り。ドイツ人との約束は時間厳守を心がけるといいですね。
体験談(フロアマット)
ルールに忠実なエピソードとして、ある日の出来事をご紹介します。大きなフロアマットを家に設置してもらった際、「靴を脱いでほしい」とお願いしたところ、設置スタッフが「安全のために靴を履くのがルールです。絶対に脱げません!」と言いました、、、結局、スタッフは靴のまま家の中を歩き回ることに。ルールが理由なのか、面倒だからなのかはさておき、ルール優先の姿勢を感じるエピソードです。
こんなジョークもあります。船に日本人とドイツ人が乗っていて、「海に飛び込んで」と指示されたとします。日本人は「誰かが飛び込んだら自分も飛び込む」のに対し、ドイツ人は「それがルールなら飛び込む」というもの。ドイツ人らしい特徴を捉えた話ですよね。
ルール重視の社会
ドイツの数多くのルールに最初は戸惑うかもしれませんが、それをしっかり守る国民性が、ドイツ社会の秩序や安定を支えています。ルールに忠実でありながら、効率的で信頼できる社会の基盤となっています。ドイツの「安息時間」については、こちらの記事も参考にしてください。
食事はシンプル
朝食と夕食は冷たい料理が中心
ドイツの朝食と夕食には、「Kaltessen」と呼ばれる冷たい料理が一般的です。これらは調理するというよりも「切る」だけで済む簡単な食事が特徴です。ハムやチーズ、パン、サラダが美しく並べられた食卓は、まるでホテルの朝食のようです。
一方で、昼食は「Warmessen」と呼ばれる温かい料理をしっかり作ります。スパゲッティやピザ、ハンバーグ、シュニッツェル(ドイツ風とんかつ)などが定番です。ドイツ人は日本人のように1日3回食事を作る習慣はありませんが、BIO(オーガニック)食品が日常に溶け込んでいるため、栄養バランスにはとても気を配っています。また、野菜を生で食べることが多く、ナスやズッキーニなどもそのまま味わうことがあります。
ニンジン、リンゴ、キュウリが定番のおやつ
ドイツでは、小さい頃から「ニンジン」「リンゴ」「キュウリ」が定番のおやつとして親しまれています。この習慣は大人になっても続き、出かける際にはこれらを持ち歩く人が多いです。例えば、プチ旅行や日帰りのお出かけ時には、お弁当箱にこの3つを詰めて持参します。
外食はあまりしない
外食の頻度は少ないです。特に子ども連れの家庭には、気軽に利用できるファミリーレストランがほとんどなく、外食産業そのものが日本ほど発達していないので、レストランはどこも高めの価格設定です。その代わり、何も用意したくない場合は、ポテトやピザをテイクアウトすることは頻繁にあります。
手軽なお弁当
子どもたちはお弁当を持参することが多いですが、その内容はとてもシンプルです。例えば、ハムとチーズを挟んだパンやヌテラを塗ったパン、生のニンジン、キュウリ、トマト、リンゴなどが定番です。驚くことに、ニンジンがそのまま1本入っていて、ピーラーも一緒にお弁当に入っていることもあります。手軽に準備できるお弁当ですが、野菜や果物がたっぷり含まれており、栄養面も十分に考えられています。
堅実
ドイツ人の約8割は堅実です。無駄遣いをほとんどせず、計画的な消費を心がける人が多いです。
例えば、日本人がスーパーで余計なものまでつい買ってしまうことがある一方で、ドイツ人は「今日はリンゴを買う」と決めたら、リンゴだけを買います。他に必要なものがない限り、余計な買い物をすることはありません。決してケチというわけではなく、必要なものにはきちんとお金をかける姿勢が見られます。
親切
親切な人が多いです。バスや電車でベビーカーや車いすの方を見かけると、必ず誰かがサッと手を貸してくれます。日本人だと「手伝ったら迷惑かな…?」と考えてしまいがちですが、ドイツでは困っている人がいればすぐに声をかけて助けてくれます。なんだか頼もしいですね。
ただ、ドイツの人たちは最初は少し壁があるので、フレンドリーに接してくる人は少ないです。でも、一度仲良くなると一気に距離が縮まります。みんなでバーベキューをしたり、家に招待し合ったりすると、自然と打ち解けられます。子どもが小さいうちは親同士も家で一緒に過ごすことが多いので、その機会にぐっと親しくなれることも多いですね。もしドイツ人と仲良くなりたいなら、思い切って家に招待してみてください。親しくなったら、とても親切にしてくれること間違いなしです。
体験談(ベッドマット)
ドイツにはベッドマット専門のお店があり、家から5分の距離にあるお店でダブルマットを購入したときのこと。近いから自分で運べるだろうと意気込んで出発したのですが、やはり途中で持ちきれず困ってしまいました…。すると、通りがかったドイツ人が「大変そうだね、手伝うよ」と声をかけてくれ、無事に家まで運べました。日本だったら「え!誰、この人、大丈夫?!」と思うかもしれませんが、ドイツでは「困っているなら手伝うよ」が自然な反応。とても温かい国ですね。
家族との時間が一番大事
家族との絆をとても大切にします。日本では、頻繁に帰省する人は少ないですが、ドイツでは車で2時間かかっても毎週帰省する人もいます。頻繁に電話をかけ合い、いつでも親と連絡を取っている姿もよく見かけます。特にクリスマスや年末は家族と一緒に過ごすのが当たり前です。12月に入ると家族みんなでクリスマスの飾り付けを始め、当日にはたくさんのごちそうを囲みます。まるで日本のお正月のようですね。夏休みも長くとれるので、2週間以上の家族旅行を楽しむ人が多いです。
物は簡単に捨てない
物はとても大切に丁寧に扱い、何世代にも渡って受け継がれます。たとえば、壊れた扇風機は自分で直したり、曾祖母から受け継いだテーブルを大切に使い続けたり、おばあちゃんが遊んでいたお人形で子どもたちも遊んだり。日本では「壊れたら新しいのに買い替えよう」となりがちですが、ドイツでは真逆です。物を長く大切にする姿勢、見習いたいものですね。
体験談(友人の家)
生粋のドイツ人宅に招待された時のこと。アンティークのテーブルや本棚がたくさんあり、「これ、何年くらい前のもの?」と尋ねると、「高祖父母から受け継いだんだよ」との答えが返ってきました。その後も、写真や手紙、服など、1800年代のものまで見せてもらい驚きです。家にある品々だけでミニ博物館ができるほどでした。これはこの家だけではなく、意外とドイツ人の多くが世代を超えて大切な物を受け継いでいるんです。なんと、300年以上前の家に住んでいる人もいました。
休暇をしっかりとる
ドイツ人は昔から、「しっかり休息をとりリフレッシュすることが、生産性の向上や効率的に働くことにつながる」と考えています。そのため、休暇はドイツ人にとって非常に大切なものなのです。
春、夏、秋、冬、どの季節でもほとんどの人が旅行に出かけます。特に夏は長期休暇が一般的で、だいたい2~3週間の休暇を取り、キャンピングカーで旅をする人も多いです。海でリラックスするのが好きな人が多いため、ホテルに泊まるよりも、Airbnbなどで一軒家やアパートを借りて長期滞在することが一般的です。また、冬には帰省し、家族全員でゆっくりクリスマスを過ごすのが習慣です。年末年始はそれほど重要視されていなく、年始は2日から仕事に戻ることもあります。
日本人が気をつけなければいけない点は、夏や冬の長期休暇前に、サービス業などで受付が取りにくくなることです。例えば、洗濯機が壊れてすぐに修理してほしくても、「もうすぐ休暇だから、休み明けに対応する」と言われることが多いです(そもそも、ドイツではすぐに修理してもらえることは少ないですが)。ドイツ人にとって休暇は本当に大切で、しっかりと休むことが生活の一部となっています。
電子機器が嫌い
ここ数年で携帯電話は普及したものの、ドイツでは電子レンジやゲーム機器などの電子機器がいまだに受け入れられにくい傾向があります。例えば、電子レンジについては「体に悪い」という考えが根強く、何かを温めるときには鍋を使う家庭が一般的です。日本人からすると洗い物が増えるので不便に感じますが、ドイツでは健康を重視する姿勢が優先されます。
ゲーム機器に関しても特に40代以上の世代には難題です。家庭にゲーム機器があっても、子供のプレイ時間を厳しく制限する家庭が多く、「15分から30分以内」「平日は使用禁止」といったルールを設けることも珍しくありません。理由としては「頭が痛くなる」「そもそもゲームに慣れていない」という文化的な背景が挙げられます。
また、小さな子供向けの電子式おもちゃにも抵抗がある人が多くいます。ドイツでは幼児が使うおもちゃは木製が理想とされ、電池で動くようなおもちゃをプレゼントすると、良い印象を持たれないこともあります。一方で、携帯電話に関しては比較的寛容で、小学5年生くらいから所持している子供も多く見受けられます。
自立している女性
「ドイツ人女性は強い」とよく言われますが、その通り、意思がしっかりしていて、意見もハッキリ伝えることが多いです。ほとんどの女性は子育てをしながらも働いており、専業主婦はあまり見かけません。働くことが当たり前なので、会話の中で「あなたの職業は何ですか?」と聞かれることがよくあります。ドイツでは、仕事と家庭を両立させる女性たちが多く、とても頼もしいですね。
活字とおしゃべりが好き
本好きな人が多く、時間があれば読書に没頭しています。例えば、早朝5時に起きて、子どもたちが起きる前の静かな時間にコーヒーを片手に本を読むのが日課だったり、休みが取れたら読書の時間を確保したり、夏休みに海に行くと、一日中浜辺で本を読んで過ごすことも。読書が生活の一部なのですね。
また、ドイツ人はとても真面目なので、取り扱い説明書もしっかり読みます。まずは説明書をじっくり読んで、その通りに実践するのが基本です。活字好きだからなのか、書店には、ずらりと週刊誌と数独が並んでいます。
また、おしゃべり好きな人が多いので、ドイツ語が少し不安でも、ちょっと質問してあとは聞き役になると、会話がスムーズに進みますよ。ドイツ人とのコミュニケーションは、聞き手に回るのも一つのコツです!
日本食好き
ドイツでも日本食は大人気で、特にお寿司が代表的ですが、ラーメン、餃子、カレーもとても人気があります。日本人が多く住むデュッセルドルフには有名なラーメン店が2軒あり、そのうち1軒はドイツ人のお客さんでいつも賑わっています(もう1軒は日本人に大人気!)。日本食に慣れていないドイツ人にラーメンや餃子、カレーを出すと、初めは箸の進みが遅いですが、しばらくすると「美味しい!」とどんどん食べてくれます。それをきっかけに、自分で日本のカレー粉を買って作る人もいます。家に招待したときにこの3つを出すと、必ず喜ばれること間違いなしです!
おすすめのラーメン屋さん
デュッセルドルフにラーメンを食べに行くなら絶対に「TAKUMI」がおすすめです。店員さんは日本人で、日本人が好む味ですが、最近はドイツ人にも人気で、ドイツ人を連れて行くとはずれません。唐揚げや枝豆もあるので、ドイツ人の子供にも喜ばれます。ランチ、夕食時はかなり混みますが予約はできず並ばないといけません。時間を少しずらすといいですよ。
まとめ
日本人とドイツ人では、文化の違いから考え方や生活スタイルが大きく異なります。ドイツ人は真面目でルールを守り、静かな環境での暮らしを好み、休暇や家族との時間をとても大切にしています。また、子どもやペットにも優しく接し、困っている人を手助けすることが自然に根付いています。長期休暇はリフレッシュの時間として重視され、旅行を楽しむのが一般的です。
ドイツでの生活をスムーズにするためには、これらの特徴を理解しておくことが大切です。ドイツ人の考え方や価値観に合わせて行動することで、コミュニケーションが取りやすくなり、より快適な生活が送れかもしれませんね。
ドイツ人 | 日本人 | |
---|---|---|
真面目 | 〇 | ◎ |
ルールに忠実 | ◎ | 〇 |
勤勉 | △ | ◎ |
炊事 | × | ◎ |
帰省率 | ◎ | △ |
休暇取得率 | ◎ | × |
子育て中のパパの協力率 | ◎ | △ |
子育て中のママの就業率 | ◎ | △ |
ドイツの生活スタイルについてはこちらをお読みください。
文:レンガ
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