アーヘンは、オランダとベルギーの国境に位置する、ドイツ最西端の街です。その昔、フランク王国のカール大帝にとても愛された街としても有名で、カール大帝はこの地に礼拝堂を建設し、814年にここに埋葬されました。この礼拝堂が「アーヘン大聖堂」です。UNESCOの世界遺産に初めて登録された12遺跡の1つ「アーヘン大聖堂」を中心とした中世の美しい街並みを楽しめるアーヘンは、一年中旅行客が訪れる観光地です。特にクリスマスマーケットは有名で、ドイツのクリスマスマーケットランキングで常にTOP10入りしています。人口25万人のうち5分の1をも学生が占める大学街でもあります。ドイツ国内でもトップクラスの工科大学RWTH(アーヘン工科大学)や技術系の企業が多数所在し、世界各国からの優秀な学生やエンジニアが集まる小さいながらもインターナショナルな街です。
アーヘンの歴史
アーヘンは、古代ローマ時代から温泉地として栄え、ローマ人はこの地の温泉を療養や軍の休養地として利用していました。「アーヘン」という地名は、温泉と深く関係しています。ラテン語で「水」を意味する「Aquae(アクアエ)」から、この地の温泉は「Aquae Granni(アクアエ・グラニ)」(グラヌスの水)と名付けられました。「Granni」は、ケルト神話に登場する治癒の神グラヌス(Grannus)に由来しています。この「Aquae Granni」が、「Aha(アハ)」に短縮され、その後「Aachen(アーヘン)」になったと考えられています。
アーヘンが歴史の表舞台に登場するのは、8世紀後半、フランク王国のカール大帝(シャルルマーニュ)の時代です。西ヨーロッパの広大な領土を統一したカール大帝は、フランク王国の中心に位置し、温泉が湧き出るアーヘンを特に好み、王国の拠点としました。そして、この地に壮大な宮殿を築き、宮廷礼拝堂(現在のアーヘン大聖堂)を建立しました。
宮殿には学者や聖職者が集められ、ラテン語教育の推進や建築・美術の保護が進められ、ヨーロッパ全体の知的基盤が築かれました。また、カール大帝は典礼の統一を進め、キリスト教の信仰を帝国内で統一することを目指しました。さらに、宮殿では国政を担う重要な会議が開かれました。こうして、アーヘンは、西ヨーロッパの政治・宗教・文化の中心地として、そして事実上のフランク王国の首都として発展しました。
カール大帝の死後も、アーヘン大聖堂では約600年にわたり神聖ローマ帝国の歴代皇帝の戴冠式が行われ、帝国の権威を象徴する場となりました。また、多くの巡礼者が訪れ、中世を通じてアーヘンは「皇帝の都市」としての威光を保ち、皇帝の戴冠式や巡礼の中心地として栄えました。
しかし、14世紀以降は次第に皇帝の権威とともにその政治的重要性を失い、商業都市としての発展に重点が置かれるようになりました。18世紀にはフランス革命軍の占領を受け、その後プロイセン領となりました。さらに、19世紀以降は工業化が進み、アーヘン工科大学(RWTH Aachen)が設立されるなど、学術・技術の中心地としての地位を確立しました。
第二次世界大戦では、アーヘンは連合軍によって占領された最初のドイツの都市となり、市の大部分が破壊されました。しかし、戦後の復興が進み、現在では工業技術、学術、そして歴史的観光都市としての魅力を兼ね備えた都市となっています。
アーヘン大聖堂
8世紀末から9世紀初頭にかけて、神聖ローマ帝国の初代皇帝カール大帝は、フランク王国の中心にあったアーヘンを帝国の中枢と定め、ここで政治を執り行いました。信仰心の厚かったカール大帝は、一流の技術者を集め、壮麗な宮廷礼拝堂を建設しました。
この礼拝堂こそが、北部ヨーロッパ最古の大聖堂の一つであり、ドイツ初の世界遺産に登録されたアーヘン大聖堂です。
歴史とともに増改築が繰り返され、さまざまな建築様式が融合しています。



814年に亡くなったカール大帝は、アーヘン大聖堂に埋葬されました。カール大帝の存在は後世の皇帝たちにとっても特別な意味を持ち、神聖ローマ帝国の象徴とされました。
936年にオットー1世がアーヘン大聖堂で戴冠したことをきっかけに、この地は神聖ローマ帝国の皇帝即位の伝統の場となりました。その後、1531年までの約600年間にわたり、歴代皇帝30人と女王12人の戴冠式がここアーヘン大聖堂で行われ、「皇帝の大聖堂」とも呼ばれるようになりました。
アーヘン大聖堂の5つの魅力
- カール大帝の墓所
ヨーロッパの父「皇帝カール大帝」が眠る、ヨーロッパ史において重要な場所 - 約600年間戴冠式が行われた教会
神聖ローマ帝国の皇帝30人と女王12人の戴冠式を行った歴史的建造物 - 天と地をつなぐ象徴・八角形の回廊
八角形の内陣(オクタゴン)は、天と地をつなぐ象徴とされ、大理石の柱や華麗なモザイク装飾が施された荘厳な空間 - 異なる時代の建築様式が融合
カロリング朝ルネッサンス、ロマネスク、ゴシック、バロックなどの様式が調和した美しいデザイン - ドイツ初の世界遺産
その歴史的価値と芸術性が認められ、ユネスコ世界遺産に登録
アーヘン大聖堂について詳しくはこちらをお読みください。


アーヘン工科大学
ドイツ人に「アーヘンに住んでいる」と言うと、「アーヘン工科大学に通っているの?」と聞かれるほど、アーヘン工科大学は街と深く結びついた存在です。大学の校舎や施設は街の至る所にあり、必ず自宅の近くには大学関連施設があります。
メインキャンパスは街の中心に位置しますが、機械工学科や医学部は北西部にある広大なメラーテンキャンパスにあります。ここでは、医学部が研究や教育の一環として羊を多頭飼育しており、キャンパス内を群れで歩く羊の姿を目にすると、ほっと癒されます。
また、アーヘン工科大学附属病院は、ドイツで唯一「歴史的保護建築物」に指定された大学病院です。その外観は一般的な病院とはかけ離れており、初めて見ると驚くほど独特ですが、一見の価値があります。

メンザ(学食)
メラーテンキャンパスにあるメンザ(学食)は、学生だけでなく誰でも利用可能です。ガラス張りの窓に囲まれた明るく清潔な空間が特徴で、座席間が広く、バギーと一緒に入れるため、昼食時には子連れのママたちの姿も見られます。
学生証を提示すると割引が受けられますが、一般利用者には割引はありません。それでも十分リーズナブルで、料理のボリュームも満点です。メニューはスパゲッティやシュニッツェル、シチュー、温野菜、生野菜、デザートまで豊富にそろい、どれも美味しいと評判です。
Super-C
Super-Cは、研究留学するアーヘン工科大学の学生にとって非常に重要な施設です。滞在許可証の申請をはじめ、さまざまな手続きを行う場所として利用されています。
非常に独特の形をしており、当初の設計では最上部が現在よりもさらに突き出た形をしていたため、「C」の形に見えることからSuper-Cと名付けられました。

お土産ショップ
Super-Cの隣には、アーヘン工科大学のオフィシャルグッズを扱うショップがあります。少々高いですが、貴重なお土産として人気です。
街紹介
気候・服装
春夏秋が短く、冬が長いです。1年のうち195日は雨が降り、終日晴れの天気予報の日でも突然降ることが多々あります。
ドイツは北海道より緯度が高くとても寒いイメージがありますが、アーヘンでは雪は年に数回しか降りません。冬の平均最低気温は0°C前後で、ドイツの中では温暖です。30°Cを超える夏日は年に1〜2週間程度で、夏服はあまり必要ありません。
一日の中で何度も天気も気温も変わるので、脱ぎ着しやすい洋服が便利です。雨がザーザー降って肌寒いと思ったら、15分後にはすっかり晴れて暖かくなっていたりしますので、「Zwiebel Look」、つまり玉ねぎのように薄手の服を重ね着すると過ごしやすいです。
ドイツの建物は断熱性が高く、室内は暖かいため、真冬でも厚手のセーターや下着類は出番がありません。「長袖のカットソー等」+「薄手の羽織りもの」+「季節に合ったアウター」が一年を通してのおすすめコーディネートです。ウールのコートよりはダウンコートの方が長い期間使えます。
暖房は家中に温水がめぐっているので、部屋も廊下も温かく乾燥しません。暖房を付けて寝た場合、薄手の寝巻と布団で快適に眠れます。
夏は、湿度は低く蚊もいないので快適に過ごせます。また夜は22時ごろまで明るく、夕方から夜にかけての心地よさは、日本ではなかなか味わえません。美しい街並みに囲まれて過ごすアーヘンの夏の夜は、本当に贅沢な時間です。
街並み
アーヘン工科大学の建物が至る所にあり、古いヨーロッパ建築と現代的な大学施設が調和する美しい景観です。東京のようなネオン煌めく繁華街はなく、どこを歩いても落ち着きのあるヨーロッパの街並みです。
街の中心には、アーヘン大聖堂がそびえ立ち、その荘厳な姿が周囲の風景に深みを与えています。1200年以上も前に建てられ、ここにカール大帝がいたのかと思うと、歴史の重みが胸に響きます。カール大帝の時代から、礼拝堂で戴冠式を行い、その後、正面に建つ建物で祝賀会が行われていました。その建物が現在の旧市庁舎です。大聖堂から市庁舎へ続く石畳の坂道には、可愛いお店やレストランが立ち並び、まるで「魔女の宅急便」のような雰囲気です。



大聖堂周辺のパン屋さんには、アーヘン名物のプリンテンが美しく並べられ、その華やかな飾りつけに、旅行客だけでなく地元の人も思わず足を止めて見入ってしまいます。



各エリア
アーヘンは、デュッセルドルフやベルリンのような大都市とは違い、中規模で、アーヘン工科大学を中心に、世界中から学生や研究者たちが集まる学術都市です。街の中心部は学生が多く、昼夜問わず活気にあふれていますが、他の地域はそれぞれ特色があります。アーヘンでもっとも美しいエリアのブルトシャイド(Burtscheid)は、ドイツ人家族が多く、子どもたちが元気に遊ぶ温かみのある地域です。ローテエアデ(Rothe Erde)周辺は、トルコ系のスーパーやレストランが並び、異国情緒あふれる地域です。高級住宅街のラオレンスベルク(Laurensberg)は、大学教授や医師が多く、落ち着いた雰囲気が漂っています。
詳しくは、こちらの記事をお読みください。

住みやすさ
コンパクトな街なので、市内観光バスなら約2時間で主要エリアを一通り巡ることができます。どのエリアも治安が良く、大きな犯罪はほとんどありません。トラムはないものの、バス路線が充実しているので、車がなくても通勤や通学には不自由しません。
中心街はショッピングモールやレストランなどが立ち並びいつも賑やかです。街から少し離れると牧場や森、ハイキングトレイルが広がり、遠出をしなくても豊かな自然を堪能できます。また、近郊では乗馬も楽しめるので、子供たちはポニーに乗ることができます。
緑が豊富で、街には並木通りがあちこちに広がっています。広々とした公園も多く、野外コンサートが開催される公園やスライダープールのある公園など、家族連れでゆっくり楽しめる場所がたくさんあります。

外国人にも住みやすい街
ドイツには、外国人や、その都市出身者以外が住みにくい地域がありますが、アーヘンは、誰にとっても、非常に住みやすい街です。世界中から学生や研究者が集まるため、様々な人種や文化が混ざり合い、また他都市出身のドイツ人も多く、誰もが地域社会に溶け込みやすい、差別や孤立感を感じない街です。
ヨーロッパ、中国、韓国の移民や留学生が多く、日本人は非常に少ないです。また移民受け入れ国なので、移民専用の住居があります。
治安
全体的に治安は良く大きな犯罪はありませんが、観光客が多いアーヘン大聖堂周辺や、クリスマスマーケットなどの混雑するイベントでは、置き引きやスリがあります。手荷物は必ず肌身離さず持ち、レストランでは携帯電話などの貴重品をテーブルに置いたままにしない、など防犯意識を高く持つ必要があります。
避けたいエリア
唯一、アーヘンで警戒するエリアが、街の中心部にあるKaiserplatzです。ここでは麻薬を配っているので、使用者が道端に座っていたり、歩いています。ただ、バスの停留所があるので人通りは多く、バスの乗り換えなどで利用している人も多いので気が付かないかもしれません。知らずに遭遇すると少々驚きますね。もし住居がKaiserplatzのど真ん中の場合はお気を付け下さい。
車上荒らし
Kaiserplatz付近では車上荒らしがいます。Kaiserplatzのど真ん中でなければ住んでも問題ありませんが、駐車場がなく路駐することが増えます。夜から朝にかけて路駐すると、車上荒らしに合う可能性が高いので、Kaiserplatz近辺での夜の路駐は避けた方がいいでしょう。
*在留届
ドイツ国内でテロや緊急事態、災害が起きたとき、総領事館から連絡をもらうことができます。また、ご自身に何かあった場合も知らせる術となります。アーヘンに滞在する場合は忘れずに在留届を申請してください。

立地
アーヘン中央駅には高速鉄道ICEが停車し、ブリュッセルへ約2時間、パリへ約3時間でアクセス可能です。さらに、ケルンやデュッセルドルフまでは車、電車ともに約1時間で着きます。
伝統的な木組み家屋が美しいモンシャウへは車で約40分、ワインの名産地として知られるモーゼル街道沿いのコブレンツへも約2時間弱でアクセスできます。
デュッセルドルフ
デュッセルドルフが近いのは非常に便利で、生活のさまざまな面で助かります。 約6,000人の日本人が暮らしており、日本食レストランやアジアンショップ、本屋が数多く立ち並んでいます。
本屋では、ドイツ語に翻訳されたマンガも販売されており、日本人だけでなくドイツ人にも人気があります。 また、食材の買い出しやラーメン・和食が恋しくなったときには、日本語が通じる店も多いデュッセルドルフが最適です。



さらに、デュッセルドルフには日本人学校があり、毎週土曜日には補習校が開かれているため、家族連れにも便利な環境です。

ケルン音楽大学アーヘン校
ケルン音楽大学(Hochschule für Musik und Tanz Köln)は、1850年に創立されたケルン音楽院を前身とする、ヨーロッパ最古の名門音楽大学の一つです。同大学は、ケルン本校のほか、アーヘンとヴッパータールに分校を設けています。
アーヘン校(Hochschule für Musik Köln, Abteilung Aachen)は、アーヘン大聖堂(アーヘンドーム)近くの中心街に位置し、アクセスの良い便利な場所にあります。 在籍学生は約220人で、日本人留学生は多くありませんが、交換留学や大学院での留学制度を利用する学生がいます。
また、アーヘン校は地域の文化活動とも密接に関わっており、隣接するアーヘン市立歌劇場(Theater Aachen)でのオペラ公演やコンサートに学生や卒業生が出演することもあります。
暮らし
住環境・生活インフラ
ドイツでは、快適な住環境を維持するために、独自のルールや習慣 が定められています。たとえば、「日曜日は家族と過ごすため、多くの店舗が休業する」ことや、「洗濯機の使用時間が決められている」ことなど、日常生活に影響する規則があります。
また、「安息時間(Ruhezeit)」 には特に注意が必要です。この時間帯に大きな音を立てると、近隣住民から苦情を受けることがあります。 ドイツでは、静かな住環境が重視されているため、騒音トラブルを避けるためにもルールを理解しておくことが大切です。
さらに、ドイツの住宅は断熱性が高く暖かい 一方で、熱がこもりやすく、カビが発生しやすい という特徴があります。そのため、定期的な換気(Stoßlüften)を行い、空気を入れ替えることが推奨されています。
ドイツでの住環境や生活インフラについて、さらに詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。

ドイツのアパートの特徴についてもチェック!
快適な住環境を考えるうえで、住まい選びも重要なポイント です。ドイツのアパートには、日本の賃貸物件とは異なる特徴が多くあります。賃貸の設備や契約の違いについて詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。

買い物・食事
日本の大型スーパーのように、1つの建物内で食品、衣類、電化製品、家具、フードコートが揃う形態の店舗はありません。食品がメインで、衣類や電化製品が一部取り扱われているスーパーは存在しますが、品揃えは限られています。
ショッピングモールの「Aquisplaza」内には、スーパー、ドラッグストア、衣料品店、家電量販店、携帯ショップがあり、お買い物の最後はフードコートでご飯も食べられるので非常に便利です。



スーパーマーケット
- コスパ抜群のスーパー
コストを重視するなら「Kaufland」と「NETTO」がおすすめです。
Kaufland は、品揃えが豊富な超大型スーパーです。商品は安価ですが、時々店内でケチャップがこぼれていたり、ドレッシングの封が空いているなど、管理は雑です。
NETTOは、学生をはじめ庶民の味方のスーパーです。非常に安く、店舗も多いので便利ですが、店内の陳列がやや雑で、商品探しに少し手間取ることもあります。Kaufland
- きれいで快適なスーパー
少し高くても、きれいで快適なスーパーで買い物をしたいなら、「REWE」や「EDEKA」がおすすめです。特に、ブルトシャイドにあるREWEは大型店舗で、品揃えが豊富なうえ、お惣菜の種類も充実しています。清潔で快適な環境で買い物を楽しみたい方にぴったりです。
- オーガニックスーパー
ドイツはBIO(オーガニック)大国なので、アーヘンにも多くのBIOショップがあります。その中でも「Alnatura」と「Denn’s」は特に人気が高く、新鮮な野菜や果物、乳製品、穀物類など幅広い商品が揃っています。店内には、BIO認定のお肉屋さんもありますが、価格はスーパーの約2倍と高めです。
ドイツのお豆腐は非常に硬く、「段ボールのようだ」と言われますが、BIOショップのお豆腐は美味しいです。特にTaifunは、は、日本のお豆腐に近い柔らかさと濃厚な味わいで、日本人の間でも人気があります。少々高いですが、おすすめです。
- アジアンショップ
Kauflandの隣にある、「Home Asia」では、日本食を作るのに必要な材料をほぼ揃えることができます。お米、キッコーマンのお醤油、納豆、しめじ、冷凍食品、などドイツのスーパーでは手に入らない野菜や調味料が豊富に売られています。また、中華料理のビュッフェコーナーがあり、簡単に夕食を済ませたい日には便利です。
- デュッセルドルフ松竹
アーヘンでも日本食材を手に入れることは可能ですが、割高で、お米は日本米ではなく、タイ米や他の品種が主に取り扱われています。日本米にこだわる場合や品質を重視する場合は、デュッセルドルフのアジアンショップ「松竹」がおすすめです。
松竹は日本食材を豊富に取り揃えており、お米、日本の調味料、お菓子、冷凍食品などが手に入ります。特に、マルタ産などの冷凍のマグロやサーモンが柵で販売されており、手巻き寿司や刺身におすすめです。

精肉店
ドイツの精肉店には、面白い特徴があります。
- 子供にハムをくれます
子連れでお肉屋さんに行くと、店員さんが必ず子供にハムをくれます。子供たちはこれを楽しみにしており、「お肉屋さんに行きたい!」と言われることもしばしばです。ハムのおかげで、ゆっくり買い物ができるので助かります。 - 薄切り肉はありません
精肉店には日本のような薄切り肉はありません。お願いすればスライスしてくれますが、薄さは3~5mm程度で、日本の薄切り肉とは異なります。デュッセルドルフには日本人用に超薄切り肉を販売しているお店もありますが驚くほど高いです、、、アーヘンにあるFleischerei Lennartzでは、デュッセルドルフの半額以下の値段で購入することができるためおすすめです。ただし、1kg以上からの購入が条件で、事前に電話で予約をする必要があります。
ドイツの食事や飲料水についてはこちらをお読みください。

交通手段
電車
ヨーロッパ各国に行けるので魅力的ですが、遅延が非常に多く、信頼できません。通勤や通学で利用する場合は、遅延を考えた上で利用するといいです。
車
通勤には電車よりも車が主流で、朝夕の通勤時間帯は混みます。日本とは反対の右側通行なので、最初のうちは逆走に注意が必要です。また、万が一事故に遭った場合、たとえ相手に非があっても謝罪がないことがほとんどです。特に外国人が多い街なので、ドイツ人以外との事故には気を付けてください。とても面倒です。
重要!免許はドイツ到着後6ヵ月以内に日本の免許から書き換える必要があります。忘れてしまうと運転できないのでこちらもお気を付け下さい。
アーヘンには、1時間から借りられるカーシェアがあり、常時車が必要ではない人には便利です。
バス
バス路線は多く、時間通りに来るのでおすすめです。アーヘン中央駅前、Kaiserplatz、Eliesenbrunnen(アーヘン大聖堂前)、Normaluhr、Bushofの5か所が主なバスの乗り換え場所で、そこからだいたいの場所に行くことができます。同じ停留所からでも、アーヘンの円上を右回り、左回りに走っているバスがあり、どちらの回り方が早いか確認してから乗るといいです。
観光用の2階建てバスがEliesenbrunnen(アーヘン大聖堂前)から出ています。詳しくは外部サイトTripadviserをご確認下さい。

自転車
どこのエリアも坂が多いので少々大変ですが、自転車率は高いです。ただ、自転車は必ず車道を走る決まりがあり、手信号をする必要があります。大通りでも、交通量の激しい場所でも、スピードが出ている道路でも、自転車は必ず車道を走らなければいけません。ヘルメットは絶対にしましょう。幼児は歩道でも大丈夫です。また、電動自転車はとても高額です。
最近、アーヘンでも貸自転車が人気です。


路上駐車
これは、ドイツのどこの州でも同じなのですが、駐車場は少ないので基本的には路駐です。路駐は、無料・有料があります。有料場所では必ず路駐許可チケット販売機があるので、購入し車中に置きます。もしくは年間路駐チケットを購入します。
警察が頻繁に路駐チェックをしているので、チケットなしで路駐しているとレッカーされます。車に乗ろう!と思ったら、・・・とマンガの世界になるので、必ず路駐チケットは購入していください。レッカーされると電話しないといけないので慌てます。車の標識や路駐方法などこちら外部サイトに詳しく書いてあります。



医療・健康
ドイツの医療レベルは高いので安心ですが、予約はすぐには取れず、2週間〜数ヶ月待ちます。緊急でない限り当日診てもらうのは難しいため、常備薬を日本から持参するといいです。
- 風邪の対処方法
ドイツでは風邪をひいたとき、病院に行かず、ハーブティーを飲んで自宅で安静にするのが一般的です。薬が必要な場合は薬局で相談すれば、薬を購入できますが、処方箋がある場合は無料です。
抗生剤はほとんど処方されません。風邪の際にはよくて咳止めや鼻水止めが処方され、インフルエンザの場合はイブプロフェンだけです。「3日経っても熱が下がらなければ再度受診してください」と言われ、さらに熱が続く場合も「5日経ったらまた来てください」と対応が進みます。気がつけば治っています。 - ホームドクター
ドイツの公的医療保険には、ホームドクター制度(かかりつけ医)が設けられています。
最初に受診した内科医や小児科医がホームドクターとなるのが一般的ですが、一度決めたホームドクターを簡単に変更することはできません。たとえば、ホームドクターの休診日に別のクリニックを受診しようとしても、「かかりつけではない」として断られるケースがあります。仮に診察を受けられたとしても、「ホームドクターを変更する意思があるか」と尋ねられることもあります。
休診日は、救急外来を利用することも可能です。
病院
アーヘン工科大学附属病院(Uniklinik RWTH Aachen)、Marienhospital、Luisenhospital の3つの大きな病院がありますが、まずはクリニック(HausarztやFacharzt)を受診します。
英語が通じるクリニックも多いですが、中には片言しか話せない医師もいるため、予約時に英語対応が可能か確認すると安心です。もし日本語対応 を希望する場合は、デュッセルドルフにある医院がおすすめです。
予約は必須!突然の訪問はNG
ドイツのクリニックは完全予約制のため、必ず事前に予約する必要があります。予約を取るのは非常に大変ですが、予約なしで突然行くと怒られることもあるのでご注意ください
保険による受診制限
また、加入している健康保険の種類 によって、受診できるクリニックが異なります。特に公的保険(Gesetzliche Krankenversicherung) と私的保険(Private Krankenversicherung) で対応可能な医療機関が変わるため、事前に確認しておくと安心です。
歯科
歯科治療は特に問題なく受けられますが、日本と比べると丁寧さに欠けます。(個人的には、日本の歯科医の方が技術が高い印象です。)
デュッセルドルフには日本人の歯科助手がいるクリニックがあり、通訳付きで治療を受けることができますが、日本語を話せる歯科医師、日本人医師はほとんどいません。
治療と抜歯は別の医院
最も日本と異なる点は、「治療する歯科」と「抜歯をする歯科」が分かれていることです。
例えば、親知らずを抜く場合、かかりつけの歯科医(Zahnarzt)ではなく、口腔外科(Kieferchirurg) を紹介されます。事前に紹介状をもらって予約を取る必要があるため、抜歯を希望する場合は早めに相談するといいです。
救急外来
水曜はほぼどの医院も休診で、金曜午後は休みが多いです。クリニックが休みの日に体調が悪くなった場合は、救急外来で診てもらえます。116に電話して、「アーヘンの今日のxx科の担当医を教えて欲しい」、と伝えれば教えてもらえます。また、UniklinikとLuiesenhospitalは救急外来があります。待ちますのでお子様が体調不良の場合は次の日まで待つかまずは考えるといいです。


近隣の国
ベルギー、オランダ
ベルギーやオランダまでは、どの地域からも車でわずか15~30分程で着きます。他国に来た感じはしませんが、ちょっと違った雰囲気を味わえます。ドイツには「閉店法」という法律があり、日曜日は全商店が休業なので、日曜日のベルギーとオランダのスーパーはドイツ人で賑わっています。そんなにお買い物したいなら法律変えましょうよ!と言いたいですね、、、そこではドイツではなかなか手に入らない商品もあります。ただし、物価はアーヘンの方が安いので、平日にドイツ国内でお買い物をするほうがお得です。
フランス
アーヘンからパリへは、車で約4時間、電車ならなんと約2時間で到着します。パリ北駅から電車で約30分でディズニーランドパリに行くことができ、早朝に出発すれば日帰り旅行も可能です。
パリ中心部では、英語はほとんど通じません。理解していてもフランス語で対応されることが多いです。また、パリの物価は高いため、飲料水や軽食はドイツで準備して持参すると節約できます。
観光
3点ポイント(Dreiländerpunkt)
車で30分の距離には、ドイツ・オランダ・ベルギーの3国が交わる地点「3点ポイント(Dreiländerpunkt)」があります。ここには、3国の境界を示す細長い石碑が立っており、そこを中心に1歩進むとベルギー、1歩戻るとオランダという、ユニークな体験が楽しめます。島国である日本では味わえないことですね。周辺には広々とした公園や、屋内外のレストランがあり、さらにラビリンス(迷路)も設置されていて、家族で一日中楽しめます。このラビリンスは出るまでに1~2時間かかることもあるため、事前にお手洗いを済ませ、水分補給の準備も忘れずにしておくと安心です。




まとめ
アーヘンは、歴史と学術の街として知られ、世界遺産のアーヘン大聖堂や、世界的に有名なアーヘン工科大学(RWTH Aachen)を擁する魅力的な都市です。中世の面影を残す旧市街と、最先端の研究が行われる大学エリアが共存し、独特の雰囲気を生み出しています。
生活面では、ドイツならではの賃貸事情や医療制度に戸惑うこともありますが、事前に仕組みを理解しておくことでスムーズに適応できます。特に、賃貸物件は家具や設備がないことが多いため、新生活の準備には計画性が必要です。また、医療機関は完全予約制が一般的で、英語対応の可否も確認しておくと安心です。
文:レンガ&プリンテンちゃん
アーヘンでアパートを借りたい、小学校や幼稚園を探したい、滞在許可証申請や銀行口座開設など研究留学のサポートをして欲しい、など弊社では経験豊富なスタッフが、アーヘンへ研究留学 / 赴任する方のリロケーションサポートをしています。留学準備はぜひプロにお任せください。
