ドイツの生活は、日本人が想像する「ヨーロッパのゆったりした暮らし」そのものです。
家族との時間を大切にし、長期休暇をしっかり取り、夏は夜遅くまでテラスや庭でゆっくり過ごします。
ただ、実際に暮らしてみると驚くこともたくさんあります。
家にはエアコンや温かい便座がなく、日曜日はお店が休業。電車は普通に遅れ、メールを送っても返信がなかなか来ません。
でも、これがドイツでは普通なんです。
この記事では、日本とは異なるドイツの住まいや食生活、暮らしのルールから、休暇や家族との過ごし方まで、実際に生活して感じたドイツの暮らしを紹介します。
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日本と全然違うドイツの住まい
温かい便座がない!
日本ではもう当たり前の、温かい便座とウォシュレット、ドイツでは見かけません。
真冬は座る前にちょっと気合いを入れないと、かなり冷たいです。
便座カバーを使っている家庭もありますが、日本人からすると「洗うの面倒だなあ」となりますね。
日本の温かい便座とウォシュレット、ドイツにもあるといいですね。
猛暑でも冷房は有りません
ドイツは日本ほど気温が高くなく、蒸し暑さも少ないので、夏場はエアコンがいりません。というのは、もう昔の話で……。
今はドイツでも猛暑になる日があり、エアコンがないので、真夏は何もしていなくてもかなりきついです。家の中でカーテンを全部閉めて窓を開けて、じっとしていてももちろん暑いです。
日本のような壁掛けエアコンは、外壁への工事や室外機の設置が必要になるため、賃貸住宅では簡単に取り付けられません。基本的にはエアコンなし、扇風機で我慢の生活です。
冷房の効いているスーパーやお店に行きましょう。
不在配達はご近所さんへ
これ、かなり日本人は驚きます。
不在票が入っていて、「○○さんに届けました」と記載があります。だいたいご近所さんに届けられるので、その家にピンポンして荷物を取りに行きます。
ある意味、便利ですよね。ご近所付き合いもできますし。
これはドイツでは昔からある文化なので、特に珍しいことではありません。自分の荷物を預かってもらうだけでなく、反対にご近所さんの荷物を預かることもあります。
たまに不在票も入っていないのに、ご近所さんが突然やって来て、「これ、あなたの荷物です」と届けてくれることがあります。
「不在票ぐらい入れてよ」と言いたくなりますね。
換気をしないとカビだらけ
ドイツの住宅は気密性が高く、湿気がこもりやすいため、こまめな換気が欠かせません。特に冬は暖房をつけて窓を閉め切るため、換気を怠ると、本当にカビだらけになります。
ドイツで一般的なのが、短時間で窓を全開にして、一気に空気を入れ替える「Stoßlüften(シュトースリュフテン)」です。
日本のように窓を少し開けたままにするのではなく、窓を全開にして短時間で換気するのがポイントです。
換気時間の目安
- 冬:3~10分
- 夏:20~30分
- 春・秋:10~20分
特に冬は「寒いから窓を開けたくない」と思ってしまいますが、カビを防ぐためにも換気はとても大切です。
ドイツ人と一緒にいると、「換気しないとダメ!」と言って、真冬でも容赦なく窓を全開にします。
ものすごく寒いです。
ドイツで生活するなら、ぜひ覚えておきたい習慣です。
静かに過ごす時間(ルーエツァイト)
これ、かなり日本人は驚きます。
ドイツでは、不在時の荷物をご近所さんに預けることがあります。
不在票に「○○さんに届けました」と書いてあるので、その家にピンポンして荷物を取りに行きます。
ある意味、便利ですよね。再配達を待つ必要もありませんし、ご近所付き合いのきっかけにもなります。
ドイツでは昔からある文化なので、特に珍しいことではありません。自分の荷物を預かってもらうだけでなく、反対にご近所さんの荷物を預かることもあります。
たまにご近所さんが突然やって来て、「これ、あなたの荷物です」と届けてくれることも。不在票が入っていないこともあるので、最初は驚きますね。
日曜日の休業やルーエツァイトなど、ドイツで生活するうえで知っておきたいルールについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。
ドイツの家は、ほかにも日本と違うところがたくさんあります。
「靴はどこで脱ぐの?」「洗濯機が地下?!」「賃貸なのに壁に穴を開けていいの?」など、実際に住んで驚いたドイツのアパート事情については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
理解に苦しむドイツの日常生活
日曜日はスーパー全店閉店
ドイツに来て一番驚くことのひとつが、日曜日はスーパーが閉まっていることです。
日曜・祝日は家族でゆっくり過ごす日とされており、レストランなどを除いて、スーパーやドラッグストア、ショッピングモールなど、多くのお店が休業になります。
日本の感覚で「日曜日にまとめ買いしよう」と思っていると、残念ながら開いていません。買い物は土曜日までに済ませておきましょう。
※中央駅などにある一部のスーパーやドラッグストアは、日曜日でも営業しています。
ただし!ここで重要なのが、お隣のオランダやベルギーでは日曜日でもお店が開いているということ。買い物好きのドイツ人はこぞって国境を越えて買い物に行きます。
日曜日のオランダやベルギーのスーパーの駐車場は、ドイツナンバーの車だらけです。
メールの返信はいつくるの?!
役所に連絡しても、保険会社に問い合わせしても、不動産会社に連絡しても、なかなか返信は来ません。
日本人の感覚だと、「1週間返事がない=メールが届いていないのでは?」と思ってしまいますが、ドイツではこれが普通です。
いつか返ってきます。
文化なのかドイツ人の性格なのか分かりませんが、ドイツ人の性格については、こちらの記事をお読みください。
電車の遅延は日常茶飯事
ドイツの電車やバスは、日本同様かなりハイテクで快適ですが、電車の遅延は「あり得ない!」と叫びたくなるほどひどいです。
予定時刻より30分以内の遅延で到着すると、「今日は意外と早く来たな」と感じ、1〜3時間の遅延は頻繁です。
さらに、数時間待ったあとに「本日の運行は中止になりました」と突然表示されることもあり、これは凹みます。
遅延した場合は、Deutsche Bahnから補償を受けられます。目的地への到着が60分以上遅れた場合は、運賃の一部が補償されます。申請もアプリから簡単にできるので、対象になった場合は申請したほうがいいですよ。
あら簡単!ドイツの食生活
夜ご飯は作りません
「え、夜ごはん作らないの?」これは日本人には驚きです。
ドイツでは、朝と夜はパンやハム、チーズなどを中心とした簡単な食事(Kaltessen)が一般的で、日本のように毎食しっかり料理をする習慣はありません。胃に負担がかかるからという理由からですが、日本人はしっかり食べたくなりますね。
お昼はその日のメインとなる温かい料理(Warmessen)を食べます。日本人にはかなりの量なので初めは驚きますが、帰国するころにはその量が普通になります。
昔は家族が昼に集まって食事をする文化があり、その名残とも言われています。
ドイツの食事については、こちらの記事で詳しく解説しています。
水道水は飲めます
水道水がそのまま飲める地域が多いことも、日本人には驚きの一つです。ただ、そのまま飲むと硬水特有の味を強く感じるので、気になる方はBritaを通して飲むと飲みやすくなります。
お味噌汁や、ご飯を炊くときにはそのまま使っています。
ただ、赤ちゃんには硬水をそのままあげるのは少し抵抗があったので、私は買ってきた水をあげていました。
また、ドイツでは、普通の水より炭酸水が主流なので、レストランで水を頼むと炭酸水が出てくるので、炭酸無しの普通のお水を頼みたい場合は「Still:スティル」とご注文ください。
ドイツのお水については、こちらの記事をお読みください。
日本のお米とはちょっと違う
ドイツ人もお米は食べます。でも、日本米ではなくタイ米やジャスミンライスなどです。学食やレストランで出てくるライスは、こだいたいタイ米やジャスミンライスです。
また、お米の代わりにクスクスを食べることも多いです。
当たり前ですが、こちらのお米では手巻き寿司には向かないので、お気を付けください。
日本米が恋しくなったら、スーパーに「Sushi Reis(寿司ライス)」が売っています。これが日本のお米に近いのでいいですよ。
ドイツで生活するために知っておきたいこと
中央駅周辺は気をつけて
どの都市も中央駅周辺は注意してください。
とにかく酔っ払っている人が多く、「お金ちょうだい」と絡まれることもあります。
デュッセルドルフ中央駅周辺では、酔っ払いだけでなく麻薬中毒者を見かけることもあり、明け方は道端に注射針が落ちていることもあります。
どこの都市も中央駅周辺は治安が悪いので、特に夜は注意してください。
また、在ドイツ日本国大使館も、スリ、置き引き、ひったくりなどの身近な犯罪に注意するよう呼びかけています。
レストランで席を離れる際は、必ず所持品を持参し、バッグはしっかり閉じられるチャック付き!とドイツ人に指摘されます。
スーツケースを持っている場合は特に注意が必要で、一瞬目を離した隙に取られることがあります。どの都市でもスリの話はよく聞くので、十分お気を付け下さい。
え?国民健康保険じゃないの?
「あれ?国民健康保険に自動で加入ではないの?」と思いますが、日本とは違い、公的保険かプライベート保険のどちらかに、自分で加入する必要があります。
公的保険には加入条件があり、プライベート保険にも保険料や補償内容などさまざまな違いがあります。
また、プライベート保険に加入すると、あとから公的保険へ変更することは難しいです。
ドイツの健康保険制度については、こちらの記事で詳しく解説しています。
ちょっと違う病院のかかり方
ドイツでは、Hausarzt(ホームドクター・かかりつけ医)を決め、体調が悪いときにはまずそこで診てもらいます。
必要に応じて専門医を紹介してもらいますが、専門医、例えば眼科や耳鼻科など、によっては直接受診することもできます。
通常の診察ではその場で診察代を支払うことはなく、診察が終わるとそのまま帰宅します。
また、ドイツでは、あまり薬を処方されません。
インフルエンザでも、解熱鎮痛剤だけ、あるいは何も処方されません。
「3日経っても熱が下がらなかったらまた来てね」と言われ、再受診しても「あと数日様子を見てね」と言われ、「何か薬ください…」と言いたくなります。
ドイツの病院・医療制度については、こちらの記事で詳しく解説しています。
社会的評価が高い博士号
日本ではあまり馴染みのない博士号ですが、ドイツでは、博士号取得者(Dr.)は社会的地位が高く、特別な存在として扱われます。
家のネームプレートに「Dr. xxx」と書かれていたり、幼稚園や学校の先生紹介欄にも「Dr. xxx」と表記されていたりと、日本との違いに驚きます。
また、日常生活のさまざまな場面でも重視されています。
例えば、駅の駐車場予約や幼稚園の申し込みサイトなどでは、「ドクターかどうか」を選択する欄が設けられていることがあります。
駐車場予約になぜ必要なのかは分かりませんが、一つの信用なのでしょうね。
ドイツの生活費はいくらかかるの?
ドイツで生活を始める上で、一番気になるのが「どれくらいお金がかかるのか」です。
特に家賃は、住む地域や物件条件によってかなり差があります。ミュンヘンやベルリンは非常に高く、アーヘンのような地方都市の2倍になることもあります。
ライフスタイルや住む地域によって差はありますが、アーヘンでの生活費の目安は以下です。
ドイツの生活費については、こちらの記事で詳しく解説しています。
憧れる生活スタイル
朝は早く、夜はゆっくり
ドイツに来ると、日本とは「時間の流れ方が違うなあ」と感じます。
幼稚園や学校は朝7時半頃から始まり、仕事も8時前後にはスタートします。スーパーも早朝から営業しているため、子どもを送った帰りにそのまま買い物を済ませることができます。
とにかく朝が早いので、楽ですし、気持ちがいいです。朝の一連の流れで、その日にやることがどんどん終わっていきます。
これ、とてもいいことです。後の時間を大切に使えるんです。
また、仕事は定時で終わり、残業はありません。夜は家族でゆっくり団らんです。
よくテレビや映画に出てくる、暖炉のある部屋で、みんなでソファーに座ってテレビを見たり、テーブルを囲んでボードゲームをしたりしている、あれです。
夏休み、クリスマス休暇が長い
子どもたちの夏休みはだいたい6~8週間ほど、クリスマス休暇は2~3週間あります。プラスして、秋休みやイースター休暇、よく分からない休暇もあるので、とにかく休みだらけです。
社会人も休暇をしっかり取り、夏には2〜3週間ほどまとめて休みます。2週間だと、「今年は2週間しか取れなかった、、、」となります。日本人からすると十分長いですよね。
そしてクリスマス前になると、みんなソワソワし始めて、だんだん連絡が取りにくくなります。
例えば、家の設備が故障して連絡しても、「もうすぐ休暇だから、休暇明けに連絡するね」と言われるか、何も連絡がないかですね。
とにかく休暇が長いので、初めは日本人には「こんなに仕事しなくていいの?!」「勉強は?!」となりますが、それでもちゃんと成り立っているので問題ありません。
有給休暇は全部消化
日本人は有給を取ることにどこか負い目を感じますが、ドイツ人は「休暇は権利だから」となります。会社からも取るように言われることがあります。
しっかり全部消化して、それでも「休みが足りないなあ」となるのがドイツです。
では、有給をしっかり取れるほど仕事が早いのか。ドイツ人は生産性が高い、とよく言われますよね。
実際にドイツで生活して感じるのは、「生産性が高い」と言えば高いのですが、そのクオリティならね、と思います。
例えば、サービス業を一つ例にとると、テーブルをササッときれいに拭いてくれる日本のレストランとは違い、少々汚くてもそのまま。店員さんを呼んでもなかなか来ない。
それでもレストランはちゃんと回っているし、商売も成り立っています。
「そこまでやらなくてもいいんだな」と思うと、日本人が余計なことに気を遣いすぎで働きすぎなんだな、と思うこともあります。
日本も求めるクオリティを少し下げれば、有給休暇を全部消化して、長期休暇を取る生活もできるのかも。
夏の夜は最高です!
夏のドイツは22時頃まで明るいため、夕方になると子どもたちは公園で遊び、大人はテラス席でビールやワインを楽しみます。
ベランダや庭で夕食をとる家庭も多く、日本ではなかなかこんな時間味わえないです。
日本でマンションのベランダで食事なんて、広さの問題もあるし、道路に面しているし、「ご近所さんに迷惑かな」など、いろいろ気になってなかなかできないですよね。
やるとしたら、子どものちゃぷちゃぷプールぐらい。
景観もよく、ビールもワインも美味しくて、天気もいい。
最高ですよ。
日本では味わえないクリスマス
12月に入ると、街はクリスマス一色になります。
多くの家では大きなツリーが飾られ、窓にはイルミネーションやクリスマスの装飾がされます。煙突を登るサンタクロースが飾られている家も多く、日本ではなかなか見られない光景なので、街を歩いているだけで楽しくなります。
特に旧市街は、クリスマスの時期になると本当にキレイですよ!
確かに、こんなにステキな街並みになっていくと、働く気力もなくなり、一気に気持ちはクリスマスになりますよね。
そして、クリスマス当日は驚くほど静かになります。家族で団らんなので、街に繰り出す人はほとんどいません。
日本でもクリスマスは一大イベントですが、ちょっと違うんです。
ドイツは家族で過ごすクリスマス、日本は恋人と過ごすクリスマス、というイメージですかね。
ワールドカップと大晦日は大騒ぎ
普段は静かなドイツですが、ワールドカップと大晦日は大騒ぎで、特に大晦日は日本人にはかなり驚きです。
ワールドカップでドイツが勝ったときは、至るところでクラクションが鳴り響きます。その前に、みんなテレビの前で叫んでいるので、勝ったかどうかは分かるのですが。そして自分も叫んでいるので。
日本では年末に大掃除をして、新しい一年を迎えますが、ドイツにはその習慣はありません。
大晦日は花火や爆竹で新年を祝うのが恒例なので、新年になると街中がそのゴミだらけになります。
日本のすがすがしく、透き通った静かな新年とは違い、ドイツの新年は驚きの光景です。
初めて12月31日に爆竹の音を聞いたときは本当に驚きましたが、毎年恒例だと慣れますね。
まとめ
ドイツの生活は、家にエアコンや温かい便座がない、日曜日はお店が休業、メールの返信がこないなど不便なことがある一方、長期休暇があり、有給休暇もしっかり消化でき、家族との時間を大切にするなど良いところもたくさんあります。
日本とは違う「ドイツ生活のほんと」を知ると、ドイツで生活するのも楽しくなりますね。
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文:レンガ