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LIFE IN GERMANY
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ドイツの小学校はどんなところ?

アーヘンへ家族帯同で留学する方はもちろんのこと、ドイツへお子様連れで移住する方にとって学校はとても気になりますよね。日本とは全く異なるドイツの小学校について、ドイツの学校に子供を通わせている筆者が説明します。

ドイツの教育システム

概要

ドイツの教育システムは、小学校(Grundschule)4年間+それ以降(Sekunderstufe+Overstufe): Gymnasium 8年 / Realschule 6年 / Hauptschule 5年 / Gesamtschule 6年、と小学校が4年間と短くかなり日本とは異なります。義務教育期間は6才~15才(日本の高校1年生)までの10年間または州によっては6才~14才(日本の中学3年生)の9年間です。

小学校は全員無試験で入れるので、近くの学校や少し遠方でも特色のある学校など好きな場所を選ぶことができます。ただ、入学前に面談があるので、そこでダメと言われれば入学することはできません。

小学校を卒業すると、各々進路が変わります。小学校4年時に、自分がどの道に進みたいかを明確にして進路を決定する、必要があります。大学へ行き高度な勉強をしたい(→Gymnasium)、専門学校へ行き職人になりたい(→Realschule)、中学校を卒業したら働きたい(→Hauptschule)、など人生を小学校4年次に決めます。厳しいですね。

小学校(Grundschule)の後はSekunderstufeと呼ばれ、Gymnasium・Realschule・Hauptschule・Gesamtschuleの4種類の学校があり、先に述べた進路によって行く学校が変わります。ただ、Gymnasiumは誰でも入れるわけではなく、3年次後半と4年次前半のテスト結果(州によっては異なる可能性あり)で決まります。外国の学校は日本と比べたら伸び伸びしているんだろうなあ、というのは幻で、実は小学校低学年からガッツリ勉強する必要があるんです!大学進学を希望するのであれば、ほんとにガッツリです。とにかくドイツはテストが多いですね。日本も頻繁にテストはあるのですが、ドイツは留年があるので必ず基準点以上を取る必要があります。なので、中学や高校の定期試験と同じように小学校3年生からテスト勉強を始めます。

飛び級と留年

小学校1年生から最終学年(Gymnasium終了など)まで飛び級と留年があります。飛び級も留年もドイツでは珍しい話ではありません。日本では留年と聞くとどん底に落とされた気分になりますが、ドイツでは、子供の成長に合った勉強がベストと考えているので、半年様子を見て、この子にはまだこの学年の勉強は少し早いかな・難しいかな、と担任と校長が判断したら再度同じ学年をやりましょう、と連絡がきます。実際に留年させるかは親の判断になりますので、少々大変でも進級させたいと言えばできます。もし2年次までに言われたのであれば親御さんが勉強のサポートをすれば追いつくと思いますが、3年次以降であればじっくり検討してください。

知り合いのお子さんで1年次に留年を言われたのですが、親御さんの判断で2年生に進級しました。かなり無理を言って進級させたので、先生からの条件として2年次でついていけなかった場合は留年、とのことでしたが、親御さんが毎日1年間サポートし3年生に問題なく進級できました。今ではGymnasiumへ通っています。

Kann-KindとMuss-Kind

小学校に上がる年齢は州によって異なります。ノルトラインヴェストファーレン州のアーヘンは、6才から入学なのですが、誕生日によって入学を1年早めたり遅くしたりすることができます。7月末までに6才になる子はMuss-kindと言って、必ず6才になる年に入学する必要があります。8月~12月までに6才になる子はKann-kindと言って、その年に入学させるか、1年間遅らせるか入学時期を選択することが可能です。幼稚園の担任の先生からどちらがその子に適しているか言われますが、最終判断は親なのでどちらも選ぶこともできます。ただ、ドイツはゆっくりじっくりを望む傾向があるので、1年間遅らせることを勧められることが大半です。

新学年

アーヘンの多くの学校は8月末~6月末までが1年間になります。州や学校によっては7月初旬までの場合もあり、フランクフルトは7月半ばまでどこの学校でも授業があります。夏休みは約2ヵ月間と長く、学童でサマースクールやサマーキャンプなど特別カリキュラムを組む場合もあります。

ドイツの小学校

Grundschule(グルンドシューレ:小学校)

授業時間は、1,2年生は8時~12時頃で終了の学校が多く、3,4年生になると、週1、2回は15時までになります。そんなに早いの!?と思いますが、下校時刻はどこの学校もとても早いです。

(日本の横浜市にドイツ認定の学校(東京横浜ドイツ学園)があります。こちらでは、7時55分~15時 / 16時半とドイツ本土と比較するとかなり長い時間勉強をしています。ドイツ学園に興味のあるかたはこちらをお読みください)。

学童が併設されている学校であれば、15時または16時半まで預かってもらえますが、学校によっては、親が働いている子供のみ学童を利用できる、など条件があります。また、そもそも学童を併設していない学校もあるので、その場合は必ず12時または11時半で帰宅します。早い、、、必ず入学前にこの点については確認してください。

ドイツでは、朝食・昼食・スナック(午後の授業や学童ありの場合)、を持参します。朝食は、2時間目が終わるころ(10時ごろ)に食べます。サンドウィッチやフルーツを持ってくる子供が多いですが、持参しない子もいますので、子供が食べたくないのであれば持参する必要はありません。昼食はMensa(メンザ:学食)で食べることもできます。

ドイツにもランドセルがありますが、持たなくても大丈夫です。ただ、みんな持っているので欲しがるとは思います。日本とは異なり、いろいろな絵が描いてあって可愛いのですが、重いので1年生ににはちょっと大変です。だいたいのランドセルは、お揃いで体操着入れ、筆箱、などがセットになっています。ドイツのデパートやランドセル専門店、Amazonで買えます。

小学校の授業内容

メインの授業は、ドイツ語・算数・生活、の3つで、2年生から英語が始まります。学校によっては、歌に力を入れている所であれば合唱の時間が多かったり、日本のドイツ学園であれば日本語の授業があったりと各学校で特色があります。

日本と大きな違いは、人前で自分の意見を言うことを小さいころから訓練する、ということです。とにかくみんな手を挙げます。もちろんモジモジして挙げない子もいますが、時間の経過と共に徐々に慣れてきて挙げるようになります。

また、グループワークがどの教科にもあり、その結果やプレゼンテーション資料を自分で作成して発表したり、詩や物語を作って発表したり。発表の機会が多いので、小学校を卒業する時にはかなり発表慣れしています。

授業は静かに聞いているだけの授業はなく、ワークショップが多いのが特徴です。例えば、算数の演習問題は、二人もしくは三人一組になって解くことが多いです。ある組は教室で、ある組は廊下で、そしてある組は外で行うなど必ずしも教室の席に座ってやるわけではありません。ちょっと日本では考えられないような光景ですが、とても雰囲気がよく、子供達もリラックスしながら楽しそうに取り組んでいます。

体育の授業は何を着てもOKです。日本のような体操着はありませんので、動きやすい服装を用意してあげるといいです。

ドイツ語:Deutsch
ドイツ語は、1,2年生は大文字小文字、筆記体、単語や文章の練習をしますが、3,4年生になるとグッと難しくなり、ドイツらしい「文章の要約」と「物語の作成」の授業が始まります。どちらもSekunderstufe以降も続くので、基礎をしっかりここで学ぶことになります。物語の種類はいろいろとあって、文字が入っていない「Vater&Sohnの4コマ漫画」を読み取って物語を作ったり、「Pippi Langstrumpf:長くつ下のピッピ」を要約したり、「グリム童話」を真似て書いたり。日本のテストでよくある、誰々さんの心情はどんなでしょう?、ということをドイツでは物語に含めて表現する練習をします。要約の練習は多いです。

算数:Mathematic
算数は、日本とさほど違いはなく、少々やる順番が異なりますがいずれはやるのでだいたい同じ内容を学習します。異なる点は、2年生で掛け算を習うのですが、九九がありません。どうやって覚えるの?!と不思議ですが、初めは歌で覚えさせて最後は同じように暗記させます。2人一組になって、質問する人と回答する人で別れたり、5分間テストを毎週やったり。もう一つ異なることは、ひっ算をなかなか教えないことです。なんだろう、この長い計算の仕方は、、、と思いますが理論をしっかり教えているようです。いずれはひっ算に似たものを教えてくれます。

生活:Sachunterricht

生活は、日本の生活と似ています。実験や課外授業がありとても楽しいので、子供達が一番好きな教科の1つに入ります。ただ、テストは全部覚えないといけないので大変です。受験生か!と思うほど覚えます。例えば、アリの社会構造や人間の目の作り、イヌやネコなど動物について。一つ一つを取ると大したことはないのかもしれないのですが、これが頻繁にかつ点数を気にしながらやるとなると一苦労です。

移民への対応

ドイツは移民が多いので、全くドイツ語が話せない子供もいますが、ドイツ語が話せなくても学校には行かなくてはいけません。移民に対する対応は州によって変わりますが、同じ州でも各学校で異なります。

デュッセルドルフの小学校では、移民クラスが設けられており、ドイツ語非話者のみで授業を受けることができます。一方、アーヘンでは移民クラスは設けておらず、ドイツ人と同じクラスでごちゃまぜになって授業を受けます。移民の子供達はプラスでドイツ語の授業があるので、そこで補完していきます。移民クラスもごちゃまぜクラスも一長一短です。移民クラスであれば、先生が丁寧なサポートをしてくれるのですが、耳から聞くドイツ語が少ないです。ごちゃまぜクラスであれば、ドイツ人に合わせた授業ペースになるのでかなりハードですが、ドイツ人の友達ができるのですぐに語学が上達します。

また、3年次からテストが始まり移民の子供にとってはハードルが高く、その場合、1年落として始めることもできます。つまり、実際には3年生なのですが、2年生から開始して再度3年生をやります。移民の子供の多くはこのように1年落として開始することが多いです。特に、3,4年生はテストがあるので、4年生の途中から入学ですとGymnasiumやRealschuleの選択をしなければいけません。語学もままならない状況でテスト三昧、かつ進路を決める、となるとストレスが続くので1年落として始めることを入学時に勧められます。

アーヘンにお子様連れで留学するかたはこちらをお読みください。アーヘンの小学校の選び方や面談の方法について説明しています。

小学校のテスト・評価の仕方

テストはKlassenarbeit(メインのテスト)とTest(小テスト)があり、どちらも重要ですが特にKlassenarbeitが評価に大きく影響し、全教科でテストがあります。テスト内容は、必ず授業で習ったもののみです。

どこの小学校も3年生から試験が始まります。3年生はだいたい隔週で試験があり、4年生はほぼ毎週あります(州や学校、先生によって異なりますが、多い方が後々のSekunderstufeを考えると早めに慣れるので良いです)。

評価対象の主要科目は、Deutsch(ドイツ語)・Mathematic(算数)・Sachunterricht(生活)の3教科で、比重は同じです。+授業態度で評価が決まります。とにかくドイツは授業に参加しないと成績が上がりません。手を挙げる回数やグループワークの参加率などがチェックされ最終的な成績が出ます。つまり、テスト+授業態度、で成績が決まります。とはいえ、小学生のうちはまだテストの比率が高い気がしますね。Sekunderstufeからは確実に50%50%になります。日本人は、テストは満点なのに成績がいまいち、ということがよくあります。授業中の発言率やワークショップの率先した参加率が低いと絶対に成績はあがりません。

ドイツでも今は大学へ進学させたい親が多く、Gymnasiumへの進学を希望します。以前はクラスの30%しかGymnasiumへ進学できなかったのですが、今は多い所では50%進学できます。Gymnasiumへ行けるか行けないかは3年次後半と4年次前半のテストの結果になりますが、4年次前半でもし際どい点数であっても、後半で挽回できればGymnasiumへ進学することができます(州によっては最終決定の時期が異なります)。

テストは担任の先生から事前に連絡が来ます。「〇月△日にxxのテストをします。範囲はxxです」というメールが送られてきて、それを元に基本的には親がサポートします。まだ3、4年生の子供がテスト範囲を確認して自分で自発的に勉強するのは並大抵ではないので、メールを親が読み逃すと大変なんです。メールは見過ごさないようにお気を付け下さい。

成績は、1~6段階で、1が一番良いので日本と逆ですね。1,1-、2+、2,2-、3+、3,3-・・・と進んでいきます。たまに1+もありますが滅多に見ないです。100点満点のテストはほとんどなく、35点や58点などよく分からない点数です。その点数を100点満点に換算すると、だいたい5点刻みで1~6まで付いています。

4年次の進級判定時の成績が重要になります。もしGymnasiumへ進学したい場合、3教科の平均が2.3前後で進学できる学校が多いですが、州によってはもっと厳しいところもあります。

2年生から3年次のテストに向けて簡単なテストが始まります。例えば、足し算や掛け算の100問5分間テストです。公文に似ているので日本人には簡単です。結果は1~6段階ではなく、信号やお天気などで表現されます。例えば、1は晴れ、3は曇り、などです。

小学生の塾

基本的にドイツには塾はないので、小学生は親が教えることが多いです。算数とドイツ語が苦手な子供には学校で補習授業が設けられていますが、あくまで授業についていくことが難しい生徒を対象としています。もし家庭で教えることが難しい場合は、塾のようなものとして、語学補習授業(DAZ)の先生が別途で家庭教師をやったり、プロもいますが、多くはGymnasiumの10年生や11年生の高校生や大学生が教えています。自分たちが通ってきた道なので教えるのも楽なのかもしれませんね。低学年の子供とは一緒に本を読んだり、3,4年生はテスト対策をしたり、ととても良いサポートをしてくれますが、まだまだ高校生なので大人に求めるような、スケジュールや時間などは難しいです。
ちなみに、小学生~Abitur(大学入試)まで、どのタイミングでのテストも全て授業で教わった内容しか出題されないので、進学塾というものは存在しません。

小学校の勉強サポートアプリ

とにかく勉強が大変なドイツですが、日本人の親にはドイツ語の壁があるので特に大変ですよね。そこでいくつかドイツの小学校でも利用している学習アプリをご紹介します。Antonは宿題として使っている学校もあるのでおすすめです。無料でも十分学習できますので、まずは無料のもので学習してみてください。もっとやりたい!ということであれば有料にするのもいいですね。また、渡独前のお子様もドイツ語に早く慣れることが重要なのでぜひトライしてみてくださいね。

①Amira

ドイツ語の本を読むサイトです。読み聞かせ付きなのでまだ文字に慣れていないお子様でも取り組めます。
こちらは言語選択はありませんので、やり方に少々戸惑うかもしれませんが、さほど難しくありません。

Amira – Kostenfreies Leseförderprogramm in 8 Sprachen (amira-lesen.de)

②Duolingo

子供も大人も学べる語学サイトで、初心者向きです。

The world’s best way to learn German – Duolingo

③Anton

ドイツの小学校で授業でも宿題でも使用しているサイトです。初心者には少々難しいので、①②で少し慣れてきたらこちらのサイトのKlasse1から始めることが良いです。右上で言語を変更できます。

ANTON – Lerne kostenlos mit Übungen für Mathe, Deutsch, Grundschule bis Gymnasium

まとめ

日本と全くことなるドイツの小学校ですが、服装も髪型もピアスも何でも自由なので楽しいです。ただ、日本に帰国してからドイツ語は使わないと思うので無理して現地校に通わせる必要があるのか、通うとしても何も話せないのに授業についていけるのか、など考えてしまうかもしれませんね。1年しかアーヘンにいないのであれば日本人学校がいいかもしれませんが、2,3年滞在するのであれば現地校をおすすめします。お子様にとってもご両親にとっても大変貴重な経験になるのではないでしょうか。外国で生活することは人生であまりないですし、小学生であれば受験も関係ないので楽しめると思います。

文:レンガ

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