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LIFE IN GERMANY
ドイツ生活情報 / ドイツ全体 / PICKUP

プロが教えるドイツのアパート探し

アパート検索~入居までの流れ

  1. ネット検索
  2. 内見依頼
  3. 内見
  4. 申込み
  5. 契約
  6. 前家賃・保証金送金
  7. 入居

ステップは日本とほとんど同じですが、ドイツ語または英語でのやり取りなのでハードルが上がります。特に、2.内見依頼4.申込みはドイツ人でも至難の業です。この2つを突破すれば、後は粛々と作業をこなせば入居できます。

ネットでアパート検索

まずは、ドイツで最も使われている不動産サイトImmoScout24でアパートを探します。ドイツ人は、アパートを貸す場合も借りる場合もこのサイトを利用します。また、アーヘンやダルムシュタットのアパートも多数掲載されているので、物件探しはこのサイトが便利で安心です。掲載物件の多くは、不動産会社を経由しているアパートではなく家主さんが直接掲載しているものになり、多くは家具無し物件になります。

家具付きと家具無しアパートどちらがいい?

家具無し、家具付きどちらも一長一短で、家具付きアパート割高ですが不動産会社を介していることが多いので比較的楽に探せます。家具無しアパートは内見の返信が来ない、契約を土壇場で取りやめられるなど難しい面もありますが、築浅で広く安価な物件を見つけることができます。

ドイツでアパートを探すときのポイントは?

アパート探しのポイントは、キッチン、浴槽、エレベーターが付いているかです。

日本ではどこの物件にもキッチンが付いていますが、ドイツではキッチン付きアパートは希少です。検索条件に、キッチン有り、と追加すると検索結果がガクンと減り、キッチン無し物件の1/10程度になります。

浴槽やエレベーターの有無は、小さなお子様連れの場合はしっかりチェックしたほうがいいです。

アパートはいつごろから探し始める?

アパート探しは、引越し予定日の3~4ヵ月前辺りから始めると良いです。アーヘン、ダルムシュタットはもちろんのこと、ドイツでは退去の3ヵ月前までに解約届を提出することが決まりです。家主さんは解約届を受領した日以降から物件情報の掲載を始めるので、3ヵ月以内に入居可能な物件が多く掲載されています。ですから、3~4ヵ月前辺りを目途に始めると引越し予定日に合ったアパートを見つけることができます。家具付き物件は、退去届けが3ヵ月前ではなく1~2ヵ月前の場合があるので、掲載開始期間が直近になることがあります。

内見依頼

良い物件が見つかったらすぐに内見依頼を出しましょう。ImmoScout24から簡単にメッセージを送信することができますが、定型文はないのでご自身で文面を考えて出します。興味があるので内見したい、という文面で大丈夫です。

いつごろ家主さんから返信がくる?

内見依頼を出しても日本の様にすぐに返信は来ないので気長に待ちます。もし1週間以内に返信が来たらかなりラッキーですが、家賃が高額な場合は返信が早いです。例えば、アーヘンでは家具無し物件で1000€/80㎡が相場で、このランクのアパートには内見依頼が殺到します。おおよそ返信が来るまでに2週間ほどかかります。一方、1500€/100㎡の高級アパートに内見依頼を出した場合、次の日には返信がきます。返信が来たらすぐに内見日を調整すると良いですね。

ドイツ語で出す?

内見依頼は、ドイツ語と英語どちらでも大丈夫ですが、ドイツ語で出したほうが返信率は高いです。ただ、ドイツ語でやり取りをすることは少々難しいので、英語で出しても問題ありません。

詐欺には気を付けて!

高級アパートではないのに返信がすぐに来たり、ドイツ語で出したのに返信が英語の場合は要注意です。前家賃や保証金の振込を要求してくる詐欺の可能性があります。多くの詐欺物件は掲載情報に違和感があります。例えば、アーヘンの人気地区Burtscheidで家具付きアパート650€/80㎡、室内写真もオシャレに掲載!このような物件は家賃から疑うべきなのですが、なかなか物件が見つからない場合はつい飛びついてしまいます。少しでもおかしいなと思ったときはもう一度よく掲載情報と返信内容を確認して下さい。

内見

いよいよ内見です。アパート内は、キッチン、カーテンレール、電気のシーリング、エアコンなど日本では当たり前に付いている物がないので広い箱の様です。内見時にチェックすべきことは、キッチンがある場合は食洗器の有無・浴槽の大きさ・バギー置き場・洗濯機置き場・アパート内の匂い・周辺環境などです。

キッチンはどうする?

キッチン無しのアパートの場合、キッチンを自身で購入するか前住人と交渉し引き継ぐかになります。内見時に現住人がいればその場で交渉してもいいですし、不動産会社を仲介している場合は交渉をお願いすると良いです。キッチン有りの場合、食器を洗う習慣がないドイツではシンクがとても小さいので、食洗器が付いているかを確認するといいですね。

バギーはどこに置く?

エレベーターがない場合、バギーをどこに置くかはとても重要になります。玄関の前や家の中に置くのであれば、バギーを担いで階段を上り下りする必要があり、かなりの重労働です。特に子供がバギーで寝ているときはそのまま担いで階段を上る必要があるため腰がやられます。アパートによってはエントランスにバギーをそのまま置けたり、畳めば置けたりする場合があるので、内見時にバギーの置き場所を確認することは重要です。

洗濯機置き場はどこにある?

ドイツの多くのアパートには地下があります。各家庭毎の物置があったり、共同の洗濯機置き場や洗濯干し室があります。地下に洗濯機置き場があることは悪くはないのですが、エレベーターがないアパートの上階に住んでいる場合、洗濯物の持ち運びが大変です。筆者が住んでいたアーヘンのアパートは洗濯機は室内に置けたのですが、地下に共同の洗濯干し室があり、そこに洗濯機を置いている住人もいました。アーヘンでは外に洗濯物を干す習慣がないので、シーツ類など大きな洗濯物を地下に干せるのは便利です。

周辺環境はどう?

また、家の中だけでなく周辺環境のチェックも忘れずに。家族連れの場合は徒歩圏内にスーパーがあればいいですし、車を使わない場合はバス停までの距離も大切です。街中でしたらゴミのポイ捨てや騒音も確認した方がいいですね。

家主さんは良い人?

内見時には家主さんがいますので、家主さんの人柄を見ることは最も大切なことです。アパートを借りた後にトラブルは必ずあります。その時に助けてくれる家主さんなのか見極められるといいですね。筆者がアーヘンで借りたアパートの家主さんは、内見時に感じた通り、とても優しくいつも助けてくれる人でした。

申込み

内見終了後は早めに申込みをしましょう。とにかく、申込みは早い方がいいです。とは言いつつ早ければ必ず契約できるかというと違うのですが、同じ条件の方が内見しに来た場合は、早いもの順で決めることが多いです。

申込みの決め手は?

内見して条件に合わないことは必ずあると思います。物件数が少ない中で決めなければいけないので、これだけは譲れない!というものを一つだけ決めておいて、それがクリアされていれば申込みをすることが良いと思います。筆者がアーヘンでアパート探しをしたときの絶対条件は、エレベーターがあるかどうかでした。バギーを担いで階段を上り下りすることがとにかく大変で、エレベーターは譲れませんでした。

いつまでに申込む?

早い方が良いです。例えば、内見して良いアパートだから明日申込みをしよう、と次の日に申込みを入れても、同日に他の方も内見しており、その場で申込みを入れられてしまったということもしばしば。また、入居日も退去予定日も同じで、かつ家族構成も似ていれば、多くの家主さんは早いもの順で決めてしまいます。できる限り早めに申込みと良いです。

契約

やっと契約までたどり着きました。契約書はその国の言葉で書かれていることが決まりです。日本語で書かれていても難しいのですがドイツ語だと必要な箇所を見落としてしまう可能性があります。家賃、解約、損害の責任範囲などの重要事項については、翻訳してしっかり把握しておくことが大切です。

特に注意すべき点は何?

特に、家賃の値上げについて書かれているかは要チェックです。外国人が多く住むアパートではなぜか、毎年家賃を数パーセント値上げする、と記載されていることがあります。家賃以外に金額が書かれている箇所は気を付けて見てください。

家賃はKaltmiete(部屋だけの値段)なのか、Warmmiete(部屋と共益費、光熱費を含んだ値段)なのか必ず確認して下さい。

前家賃、保証金の送金

送金が終われば後はもうアパートの心配はありませんのであと一息です。入居前までに必ず前家賃と保証金を送金します。家主さんや不動産会社によっては、入居日に持参でも良いという場合もあります。

前家賃と保証金は一緒に送金する?

多くの家主さんは、前家賃と保証金を別々に送金して欲しいと依頼するので、送金時は少々面倒ですが別々の送金用紙を準備してください。

送金方法は何がある?

送金方法は、銀行、ゆうちょ、送金サービス(WiseやWorldremitなど)があります。大手銀行は、①手数料(2000円~6000円)②中継手数料③受取銀行手数料、がかかるのでとても高いですが安心感があります。一方、送金サービスは②と③が省かれていることが多く、かつ手数料も安いので安価で送金ができますが不安に思う方もいらっしゃいます。

入居

とても長かったお部屋探しも終了ですが、入居チェックが終わるまでは気を抜かないでください。入居日は、家主さん、または不動産会社と一緒に約1~2時間かけてアパートをチェックします。確認時はドイツ語または英語で行い、トラブル回避のために確実に行うことが大切です。入居確認書にサインした時点で全て受け入れたことになるので慎重に実施して下さい。

入居日に確認すべきことは何?

水道やガスメーターは、退去時にどれくらい使用したかの明細がくるので、使用開始時の写真を撮ると良いです。
キッチンは全ての扉を開けて壊れていないか、カビが生えていないか、窓は鍵がしまるか、問題なく開閉できるかをチェックしましょう。
鍵の本数は写真に撮るかメモを取ると良いです。もちろん、壁やドア、床にキズがないかも確認しますが、ドイツは壁や天井に穴を開けてもいいのでさほど気にしなくても大丈夫です。壊れているものに関してはしっかり入居日に見つけて、家主さんにすぐに修理依頼をすると良いです。

入居後にまずやるべきことは?

日本の賃貸物件は、壁に穴を開けたり、電気の配線を自分で行ったりなどやってはいけませんが、ドイツは、カーテンや電気が付いていないので自分でやらなければいけません。カーテンを設置するためにまずは窓枠を計測して、カーテンレールを付ける位置を計測し、カーテンレールとカーテンを買いに行き、DIYをして、やっとカーテンがつきます。電気も同様ですが、慣れない日本人には配線はドキドキします。電動工具で作業をするのですが、壁が硬い場合はなかなか電動工具が入らずかなり手こずります。このカーテンや電気の設置作業に2~3週間かかるので、内見時にある程度考えながら見ておくといいです。引越したらまずは電動工具を買うことを忘れずに!
アーヘンのアパートでカーテンと電気を付けたとき、家の作りが頑丈であったため、電気を付けるために天井に穴を開けようとするとなかなか電動工具が入らず、何本か折れてしまいました。より強度の強い電動工具を買ってきて再度トライ!してやっと開きましたが、全部屋終了するのに2週間ぐらいかかりました。電動工具を右手に、左手には掃除機を持って、天井に穴をあける。日本では考えられない作業ですね。いい経験です(主人がやりましたが)

入居前には必ず契約書を受領し、前家賃と保証金を支払ってから入居してください。もしも契約書がない状態で入居してしまうと後々大変なことになりかねませんので、必ず契約書はお互いにサインしたものを受領してから入居してください。

筆者の経験談

筆者がアーヘンで家探しをしたとき、内見依頼の返信率の低さに意気消沈していると、おしゃれで利便性が良く家賃が通常の2/3のアパートが掲載されました。即ドイツ語でメッセージを出したところ、1時間後に英語で返信がきました。
”この物件は洗練されており市街へも近く最高のアパートです。申込みが殺到しているのでお早めに!”
とにかく返信がきたことが嬉しく早く契約しなくては、と焦る気持ちを抑えながら質問をしました。しかし、返信内容が質問とは食い違い、振込を催促してきました。不審に思い掲載住所へ行くと物件はなく、そのとき詐欺だと気付きました。危うく詐欺にあいそうになりましたが、気持ちを取り直して内見依頼を出し続け、やっと3件内見できました。しかしそこでも驚くことがありました。
1件目は、”家賃を払えるだけのお金があるか預金額を見せて欲しい”と言われ、、、
2件目は、”ぜひあなたに貸します”と言われた次の日に”他の人に貸すことにしました”と言われ、、、
もう半ば投げやりになっていたときに内見した3件目。やっと信頼できる家主さんに会えました。とても優しく、丁寧に家やゴミの捨て方、地域のことを説明してくださり、無事に借りることができました。そして困ったときはいつも助けてくれました。
1地域限定でアパート探しをしたので苦労しましたが、家主さん、ご近所さん、治安、利便性全てが良かったです。アパート選びはとても大変ですが大切です。

文:レンガ

ドイツでアパートを借りたい場合、特に内見依頼申込み大変です。内見依頼の返信率は低く、申込みも速いもの順ではないので、契約に至るまでには相当の時間がかかります。弊社では経験豊富なスタッフが、アーヘン、ダルムシュタットへ研究留学/赴任する方のリロケーションサポートをしています。留学準備はぜひプロにお任せください。お問合せはこちら

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