ドイツのアパートは、日本の賃貸物件とは大きく異なります。
壁に穴を開けても問題なく、ペットの飼育が可能な物件も多く見られます。
また、浴室は洗い場と湯舟が分かれておらず一体型になっているなど、設備にも違いがあります。
多くの物件では静かに過ごす時間「Ruhezeit」が定められており、住まいの仕様だけでなく暮らし方にも日本との違いがあります
賃貸でも壁に穴を開けてもOK
日本では、賃貸物件に穴を開けることは基本的に禁止されていますが、ドイツでは、絵を飾ったり照明を取り付けたり、家具を固定したりするために壁に穴を開けることは一般的で、問題ありません。
その代わり、退去時には穴を埋め、壁を元の状態(色)に戻す必要があります。
道具やペンキも自分で準備して修繕する必要があるため、退去時には多少の手間がかかります。
自分で修繕する場合は、完璧に仕上げようとするよりも、「ある程度きれいな状態」に整える程度で問題ないことが多いです。
仕上がりに不安がある場合は、無理に完璧を目指さず、残りを保証金から差し引いて対応してもらうといいです。

洗濯機・洗濯干しは地下
ドイツのアパートでは、洗濯機と乾燥機が地下に設置されていることが多いです。
洗濯物は大きめの袋や洗濯籠に入れて地下へ運び、洗濯後はそのまま乾燥機にかけるか、地下に設置された物干しスペースに干します。乾燥機がない場合は、部屋に持ち帰って干すこともあります。
この作業は、実は想像以上に負担が大きいです。
ドイツのアパートはエレベーターがない建物も多く、特に上階(5〜6階)に住む場合は、洗濯物の持ち運びが大きな負担になります。
そのため、可能であれば地下の物干しスペースを活用し、その場で干してしまう方が負担を軽減できます。
玄関は砂だらけ
ドイツの玄関は、日本のような段差がなく、靴を脱いでも泥や砂がそのまま室内に入りやすいです。
そのため、こまめにホウキで掃除する必要があります。
また、玄関と室内の境界がはっきりしていないため、靴を脱ぐ場所は家庭ごとに異なります。
玄関扉の外に靴置きを設けてそこで脱ぐ人もいれば、室内の玄関付近に靴箱を置く人もいます。玄関周りが狭い場合には、廊下に靴を並べることもあります。
玄関の境界をはっきりさせたい場合は、ドアの前に足ふきマットを置くのがおすすめです。
「ここまでが靴で入ってよい場所」「ここからが室内」と視覚的に分かりやすくなり、来客時にも便利です。特に子どもにとっては分かりやすく、習慣づけにも役立ちます。
余談ですが、ドイツ人を家に招いた際、玄関扉の外で靴を脱ぐ方がいます。
室内を汚さないよう配慮してくれているためと思われますが、日本の感覚では少し驚きますね。
バギーの置き場所
小さいお子さんがいる場合、バギーは必須ですが、置き場所に悩みます。
エレベーターがある建物であれば、玄関前や室内に置くといいです。
エレベーターがない場合は、階段での上り下りが必要となり、バギーを担いで移動しなければなりません。特にお子さんが寝てしまった場合は、そのまま抱えて運ぶ必要があり、身体的な負担が大きくなります。
アパートによっては、エントランス付近にバギーを畳んで置けるスペースが用意されている場合もあるため、事前に確認しておくといいです。
ただし、共用部分の使用ルールは物件ごとに異なるため、ルールを守らないと家主や近隣住民から注意を受けるのでお気を付け下さい。
湯舟はシャワーと一体
ドイツのアパートでは、浴槽がない物件も多く見られます。
また、浴槽がある場合でも、日本のように浴槽と洗い場が分かれていることはほとんどありません。浴槽の上にシャワーが取り付けられており、浴槽の中で体を洗うのが一般的です。
日本のようにゆっくり湯舟に浸かるというよりは、子どもが水遊びを楽しむ場として使われることも多いです。
実際に浸かる場合は、先に浴槽の中で体を洗ってからお湯をためる、もしくは入浴後に体を洗うなど、日本とは異なる使い方になるため、少し手間に感じるかもしれません。
最近では、小さなシャワー室と離れた位置に浴槽が設置されている物件も増えています。
シャワー室で体を洗った後、そのまま浴槽へ移動するため、床が濡れやすい点には注意が必要ですが、慣れれば特に問題なく使えます。
なお、ドイツでは毎日入浴する習慣は一般的ではありません。
近年は夏場の暑さの影響で入浴頻度が増える傾向もありますが、冬場はシャワーのみで済ませる方も多く見られます。
賃貸物件でもペットOK
ドイツの賃貸物件では、家具付き・家具無しを問わず、ペットの飼育が可能な物件も多く見られます。
特に小型犬の場合、「ペット不可」と記載されていても、家主と交渉することで許可されることもあります。
一方で、ドイツでは休日を自宅でゆっくり過ごす人が多く、庭で食事を楽しんだり、窓を開けて過ごしたりすることが一般的です。
そのため、室内で犬が頻繁に吠えると近隣から苦情が入る可能性もあります。
ペットと快適に暮らすためには、物件のルールを確認するとともに、周囲への配慮も大切です。

ルーエツァイト(Ruhezeit)
ドイツには、「Ruhezeit(ルーエツァイト)」と呼ばれる静かに過ごすべき時間帯があります。
これは、マンションやアパートごとに定められているルールで、契約書やハウスルール(Hausordnung)にも記載されています。
一般的には、平日の夜22時から翌朝6時または7時、昼の13時から15時、そして日曜日や祝日の終日が対象となります。
この時間帯には、洗濯機や掃除機の使用、大きな音を出す行為は控える必要があります。
Ruhezeitの詳細については、ラジオ関西トピックス「ラジトピ」に掲載している弊社記事でも解説していますので、あわせてご覧ください。
安心の住人専用の中庭
ドイツのアパートでは、住人専用の中庭が設けられていることが多いです。
建物同士が隣接して建てられているため、中庭は外部からの侵入がしにくく、子どもを遊ばせる場所として安心して利用できます。
子どもを遊ばせながら大人は近くでゆっくり過ごすことができ、日常の中でほっと一息つける空間になっています。
また、中庭では誕生日会やバーベキューを行うこともできるため、住人同士の交流の場としても活用されています。

冬でも暖かいドイツのアパート
賃貸に限らず、ドイツの住宅は気密性が高く、室内を暖かく保つように設計されています。
そのため、外が寒い日でも室内は比較的快適に過ごすことができます。
一方で、通気口が少なく空気がこもりやすいため、湿気がたまりやすいという特徴もあります。
換気を怠るとカビの原因になるため、真冬であっても1日に数回、窓を全開にして短時間で空気を入れ替えることが重要です。
換気の方法やドイツ特有の生活スタイルについては、別の記事でも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
DIYはどうやってやるの?
ドイツの賃貸物件では、入居後に照明やカーテン、場合によってはキッチンまで自分で設置するのが一般的です。
そのため、日本のように「すぐに住める状態」ではないことも多く、最低限の生活環境を整えるためのDIYが必要になります。
実際にどのような準備や作業が必要になるのかについては、こちらで詳しく解説しています。
家具付き物件
ドイツの賃貸物件は基本的に家具なしが一般的ですが、1~2年の滞在者向けに家具付き物件も用意されています。
家賃はやや高めになる傾向がありますが、入居後すぐに生活を始められるため、研究留学など滞在期間が限られている方には適しています。
家具付き・家具なし物件の違いや、仲介業者の有無については、こちらで詳しく解説しています。
まとめ
ドイツのアパートは、日本の賃貸とは住まいの前提が大きく異なります。壁に穴を開けられることや、洗濯機が地下にあること、浴槽とシャワーが一体であることなど、戸惑うポイントも多くあります。
こうした違いはドイツ特有の住宅文化によるものです。事前に知っておくことで、現地でのトラブルやストレスを減らし、スムーズに新生活を始めることができます。
ドイツのアパート探しや生活準備でお困りの方へ
ドイツの賃貸物件は、日本とは大きく異なり、実際に現地で戸惑うケースも少なくありません。
物件探しや入居準備、生活立ち上げに不安がある方は、お気軽にご相談ください。
文:レンガ