ドイツの物件探しは、物件不足と競争の激しさから、「内見が取れない」という壁に多くの人が直面します。
実際に、内見依頼を送っても返信が来ないことがほとんどで、1件の内見を獲得するまでに数ヶ月かかることも珍しくありません。
この記事では、なぜ内見が取れないのか、その理由と、物件探しを成功させるための具体的なポイントについて解説します。
ドイツの物件探しの流れについては、「プロが教えるドイツの物件探し」で詳しく解説しています。

なぜドイツでは内見が取れないのか
ドイツでは慢性的な物件不足が続いており、どの都市でも競争が非常に激しくなっています。
そのため、内見依頼を送っても返信が来ないことが多く、返信があっても数週間後ということも珍しくありません。
実際に、内見を1件獲得するまでに数ヶ月かかることもあり、根気よく連絡し続ける必要があります。
① 物件数が圧倒的に不足している
ドイツでは慢性的な物件不足が続いており、需要に対して供給が追いついていません。
もともとドイツ全体で物件不足だったところに、コロナや戦争、物価上昇といった影響で家賃が高騰し、引っ越す人も減っている一方で、海外からの入国者は多く、どこの都市でも物件がない状況が続いています。
② 応募者が多すぎる
1つの物件に対して多くの応募が集まるため、内見の時点で候補者が絞られてしまいます。
また、複数の賃貸サイトに同時掲載されることが多く、国内外から応募が集まるため、競争は非常に激しくなります。
③ 内見依頼に返信が来ない
内見依頼を送っても返信が来ないことが多く、返信があっても数ヶ月後ということもあります。
日本人だけでなく、不動産会社経由、家主さん直物件どちらも内見依頼メールにはほとんど返信がありません。英語で送った場合はなおさら来ません。返信があっても、だいたい2〜4週間後くらいで、忘れた頃にやっと来ます。
④ 外国人は不利になりやすい
言語や収入証明の関係で、ドイツ人より不利になることがあります。また、外国人でも現地で直接会う場合とメールとのやり取りでは信頼が変わります。
⑤ 不動産会社の対応が日本と異なる
ドイツの不動産会社は、日本のような対応ではなく、基本的にこちらから積極的に連絡する必要があります。
「返信を待っていてください」と言われても連絡が来ないことがあり、こちらから確認しても「待っていてと言ったでしょ!」と厳しい対応をされるか、無視されることがあります。
また、内見予約はオンラインのみのことが多く、直接訪問しても対応してもらえないことがあります。
内見を取るためのコツ
内見は設備や立地、周辺環境を実際に確認できる重要な機会でもあります。そのため、内見を確実に取ることが、その後の生活に大きく影響します。
①ドイツ語で連絡する
英語よりもドイツ語で連絡した方が返信率が高くなります。現在は翻訳ツールやChatGPTもあるため、積極的に活用するとよいでしょう。
②すぐに連絡する
人気物件は掲載直後に応募が集中します。気になる物件を見つけたら、できるだけ早く問い合わせることが重要です。
③複数サイトを併用する
1つのサイトだけでなく、複数の賃貸サイトを併用することで、内見獲得率が上がります。
ドイツの物件検索サイトについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
④現地在住の日本人にサポートしてもらう
ドイツでは、知り合いからの紹介の方が安心とされる傾向があり、物件を借りやすくなります。
現地に知り合いや日本人のサポート会社がある場合は、そうしたつながりを活用するのも一つの方法です。
特に、内見の機会を得ることが難しい場合は、現地のネットワークが大きな助けになります。
即決の重要性
日本では内見してから検討するのが一般的ですが、ドイツではそのペースでは物件を押さえることが難しい場合があります。
不動産会社経由の場合、内見後すぐに他の人が契約してしまうことも多く、条件に問題がなければ即決する判断も必要です。
内見時の重要ポイント
浴槽・エレベーターの有無
小さなお子様連れの場合、浴槽やエレベーターの有無は特に重要なポイントです。事前に設備の詳細を確認しておきましょう。
立地
大学や街中から離れた場所には比較的空き物件がありますが、利便性に欠ける場合があります。特に小さなお子様がいるご家庭で車をお持ちでない場合は、利便性の良い場所を選ぶことをおすすめします。ドイツでは森の中や街中から車で30分ほど離れた地域でも、好んで住む傾向があるため、該当地域に詳しくないと、物件が予想以上に辺鄙な場所にあることもあります。
キッチンの調達方法の確認
キッチン無しアパートの場合、キッチンを購入するか前住人から引き継ぐことになります。内見時に現住人がいればその場で交渉し、不動産会社仲介の場合は交渉をお願いすると良いです。
食洗器の確認
食器を洗う習慣がないドイツではシンクがとても小さいので、食洗器の確認は必須です。日本人は頻繁に食事を作るので、食洗器があると便利です。
エレベーター無しの生活状況の確認
築浅の物件にはエレベーターが設置されていることが一般的ですが、古いアパートでは設置されていない場合が多いです。特にエレベーターのない建物の上階に住む場合、日常生活が予想以上に大変になることも。以下のような状況では、エレベーターがないと不便を感じるかもしれません。エレベーターの有無が生活に大きな影響を与えることもあるため、しっかり確認するといいです。
ベビーカーの移動
赤ちゃんがいる家庭では、ベビーカーを階段で運ぶのは大変な負担になります。
洗濯物の移動
地下に共用の洗濯室がある場合、洗濯物の運搬が一苦労です。
重い荷物の持ち運び
買い物帰りや引っ越し時に、重い荷物を運ぶのは大変です。
自転車の保管
玄関前や自宅の近くに自転車を置く場合も、階段を上り下りする必要があると不便を感じることがあります。
周辺環境の確認
また、家の中だけでなく周辺環境のチェックも忘れずに。家族連れの場合は徒歩圏内にスーパーがあればいいですし、車を使わない場合はバス停までの距離も大切です。街中でしたらゴミのポイ捨てや騒音も確認した方がいいです。
家主さんの人柄の確認
家主さんの人柄を見ることは非常に重要です。アパートを借りた後にトラブルは必ずありますので、家主さんか不動産会社に頼ることになります。
貸主に選ばれるための準備
内見できたとしても、必ず契約できるわけではありません。家主直物件の場合は、内見者全員から選ぶので選ばれる必要があります。
重要なのは、「この人なら安心して貸せる」と思ってもらうことです。
家賃を支払える証明
十分な資金があることを証明できる書類は非常に重要です。
目安として「家賃 × 滞在月数 × 3倍」の資金があると安心されます。
身分証明書の提示
当たり前なのですが、下記は必ず提示を求められますので事前に準備しておくといいです。
トラブルリスクがないことのアピール
特に家族連れの場合は、騒音や破損リスクがないことを伝えることが重要です。ドイツは子供には優しい国ですが、静かに暮らすことも大切にしています。
ドイツの静かに暮らす時間(ルーエツァイト)については、こちらの記事をお読みください。
内見の後は契約へ進みますが、契約内容の確認を怠ると後からトラブルになることもあります。
契約時の注意点については、こちらの記事をご覧ください。
物件が見つからないリスク
物件が見つからない場合、ドイツでの生活や手続きに大きな影響が出ます。
住民登録ができない
住所がないと住民登録ができず、滞在許可証の申請が遅れる可能性があります。
銀行口座や携帯契約ができない
住民登録がないと、銀行口座開設や携帯契約(SIMは可)もできません。
滞在許可証の申請ができない
非常に重要です。ドイツでは3ヵ月以上の滞在は必ず滞在許可証が必要になります。もし所持していない場合は不法滞在となり、留学や滞在が継続できなくなります。
プロに頼む?自分で探す?
ドイツの物件探しはトラブルも多く、時間と労力がかかります。特に家族連れや社会人の方は、効率を考えるとプロに依頼することをおすすめします。
学生の方は比較的時間に余裕があるため、自分で探すことも可能です。ただし、渡独前に決まらない場合は早めに切り替えることが重要です。
アーヘンでの物件探しや生活立ち上げについては、現地在住の日本人スタッフがサポートしています。
まとめ
ドイツの物件探しでは、内見が取れないことが最大のハードルとなり、不動産会社から返信が来ない、応募が集中するといった理由から思うように進まないことが多くあります。
特に、応募者の多さやドイツ語での対応、スピード感の違いなど、日本とは異なる環境が影響しています。
そのため、早めの情報収集と準備に加え、ドイツ語での連絡や迅速な対応など、内見を取るためのコツを押さえておくことが重要です。
文:レンガ